すべては「個性的な少女」との出会いから始まった!!|【第1話 僕達は友達が出来ない(´・ω・`)】「僕は友達が少ない」を三幕構成で分析する
▶ 「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ👽 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!
分析対象
三幕構成
ポイント①
<1>
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・【1】第1幕~第2幕前半:男性主人公が、ふとしたきっかけから同じクラスの個性的な少女と言葉を交わすようになる
・【2】第2幕後半:少女が、奇妙なクラブを立ち上げる
・【3】第2幕後半~第3幕:男性主人公は強引に部員にされる。かくして男性主人公の平穏な日常は幕を閉じ、波乱に満ちた青春が始まったのだった……!
つまりは、「平凡な男子高校生が、電波系女子の立ち上げた奇妙なクラブに強引に参加させられる物語」です。
<2>
ところでこうして整理してみると……このストーリー、どこかで見たことがあると思いませんか?
例えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」。
ある日、男性主人公(キョン)が個性的な少女(ハルヒ)と言葉を交わすようになる。やがて少女は奇妙なクラブ(SOS団)を立ち上げ、主人公はそれに巻き込まれる……!
他にも、「部活もの」と呼ばれる作品群ではこれに類似した展開がしばしば見受けられます。
つまり……本話は、多くの「部活もの」に見られる王道的な展開なのです。
ポイント②
<1>
続いて、【各キャラの抱える悩み】に注目して、ストーリーを整理してみましょう。
・【1】第1幕:主人公(小鷹)は【悩み】を抱えている
・【2】第2幕前半:主人公はある日、顔見知りの少女(夜空)が自分と似た【悩み】を抱えていることを偶然知る
・【3】第2幕前半:2人は、【悩み】についてアレコレ語る
・【4】第2幕後半:主人公との会話をきっかけに、少女が【悩み】を解決するための組織を作る。主人公は強引にメンバーにされる
・【5】第2幕後半:2人は、似たような【悩み】を抱える仲間を探す
・【6】第3幕:間もなく、3人目の仲間(星奈)が見つかる。だが、少女2人はすぐに衝突。主人公は呆れ果てる
つまり本話は、「似たような【悩み】を抱える者たちが、【悩み】を媒介として集う物語」なのです。
<2>
ところで……本作に登場する【悩み】は【友達がいない、友達がほしい】ですが、これ、いろいろと応用が利くと思うんですよね。
例えば、【悩み = アルコール依存症で悩んでいる】にしたらどうでしょう?
ぐっと大人向けの作品になりそうですよね。
性別も年齢も職業も、あるいは国籍や宗教も異なる人びとが集う。彼らに共通しているのは、全員が「人生の壁」にぶつかり、もがき苦しんでいること。そしてもう1つ、アルコールを手放せなくなっていること……。
「28DAYS」という映画がありますが、あんなイメージでしょうか。
<3>
あるいは、【悩み = 毎晩奇妙な夢を見る。謎の老人が現れ、「あなた様は世界を救う英雄。仲間を集め、魔王の襲来に備えるのです」と俺を促すのだ。一体何のことだ……?】というのはどうでしょう。
今度は、SFチック、オカルトチックな物語になりそうです。
「ぼくの地球を守って」や「セーラームーン」の路線ですね。
ポイント③
<1>
ところで、本話には「一般生徒の描写」が多数登場します。
例えば、友達と楽しそうに会話している生徒。
ワイワイとゲームに興じている生徒。
あるいは、部活動に汗を流す生徒。
語弊を恐れずに言えば、ちょっとしつこいくらいに一般生徒が描かれているんですよ。
なぜか?
<2>
これについては、斎藤久さん(本作の監督)が以下のようにおっしゃっています。
1話だと、意識的に普通の生徒たちの営みを見せるようなことをやっています。そうすることで、夜空たちの置かれた状況をより浮彫にできると思いましたので。
※「僕は友達が少ない コンプリート」より引用。
斎藤さんのおっしゃる「夜空たちの置かれた状況」とは、「友達がいない」という状況のことでしょう。
つまり、夜空や小鷹の孤独を浮き彫りにするために、「高校生活をエンジョイする一般生徒たち」を多数描写したというわけですね。
なるほどー!!
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)