
「ダイエットをふいにしても友人の相談に乗る」というシーンを描く ~アニメ「ぼくたちは勉強ができない」の場合
文乃「私、いまダイエット中なんだけどなぁ……」
◆概要
【「ダイエットをふいにしても友人の相談に乗る」というシーンを描く】は「読者・鑑賞者に好かれるキャラ、共感されるキャラ、応援されるキャラ」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「ぼくたちは勉強ができない」(第12話)
▶1
本作の主要キャラの1人・文乃(高3女子)。
彼女は機微に聡く、また親切である。ゆえに友人からあれこれ相談を受けることが多い。
例えばある日のことだ。
・Step1:昼、立ち食いそば屋。文乃はそばを食べながら、成幸の相談に乗ってやっていた。
・Step2:次いで夜。今度はラーメン屋。文乃はラーメンをすすりながら、うるかの相談に乗る。
・Step3:文乃は「私、いまダイエット中なんだけどなぁ……」と心の中でぼやきつつも2人の話に耳を傾け、真摯にアドバイスを送るのだった。
▶2
文乃はダイエットキャラだ。第4話には、彼女が体重を減らそうとして四苦八苦するエピソードがある。
そんな彼女だからこそ、「ダイエットをふいにする危険がありつつも、それでも友人の相談に乗ってやる姿」は胸を打つ。まったく、何といいやつなのか!
▶3
なお、「本気でダイエットしたいなら、そば屋やラーメン屋以外の場所で相談に乗ればいいのではないか」と考える方もいるかもしれない。
しかし、たぶんそれは違う。
誰にだって口が滑らかになる場所というものがあるだろう。成幸は立ち食いそば屋だからこそ、文乃に本音を打ち明けられたのではあるまいか。一方、うるかはラーメン屋だからこそ文乃の前で正直になれたのだと思う。
もしも文乃が「私、ダイエットしているの。だから今日は公園で話を聞くね」「ランチはカフェで軽く済ませたいな。そこで話を聞くよ」なんて言っていたら、2人は正直になれなかったのではないかと思うのだ。
文乃はこうしたことに配慮してそば屋、ラーメン屋に付き合ったのだろう(作中では明言されていないが、たぶん)。
改めて、じつにいいやつである。
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