
はじめてのおつかいとそのサポート ~アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」の場合
キャルは地図を吟味しながら「ほどよく安全で、ほどよく危なくて、ほどよく苦労しそうな場所……はぁ!遠足の行き先を考えている学校の先生になった気分ねぇ……」
◆概要
【はじめてのおつかいとそのサポート】とは、「1人きりでのおつかいに初挑戦する子供」と「それをそっと見守り、時には手助けする大人」からなるエピソードのこと。
多くの作品に描かれるストックエピソードであり、様々なバリエーションが存在する。
本記事では、アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」(第8話)の当該シーンを取り上げる。
◆事例研究
◇事例:アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」(第8話)
▶1
舞台は中世ヨーロッパ風の異世界。ペコリーヌ、コッコロ、キャル、そしてユウキの4人は「美食殿」なるギルドを組んでいる。
以下、彼らが経験した「はじめてのおつかいとそのサポート」のあらましをご説明しよう。
<Step1>
ある日、ペコリーヌたちの前に3人の少女が現れた。曰く「3人は将来ギルドを組んでクエストに挑戦したいと考えている。そこで、ギルドが普段どんなことをしているのか教えてほしい」。
ペコリーヌたちは戸惑う。えっ、教えてほしいって言われても……。
しかし、「将来はこの国のために戦いたいんです!」と目を輝かせる少女を無下にはできぬ。ペコリーヌたちはその純粋さにノックダウン。一肌脱ぐことにした。
<Step2>
ペコリーヌたちは「宝探しクエストを偽造して、3人にクエストを体験させてやろう」と決めた。
かくなる上は、まずは事前準備である。安全ながらもそれっぽい雰囲気のあるルートを考案したり、宝を作って埋めたり、宝の在り処を示した地図を作ったり……嗚呼、忙しい!
<Step3>
そして迎えたクエスト当日。
3人の少女はペコリーヌたちから宝の地図を授かると、早速クエストに出発した。もちろん3人はこれが偽クエストだとは知らぬ。「私たちはいま夢にまで見たクエストに挑戦しているんだ!」と意気揚々としている。
<Step4>
一方、ペコリーヌたちは今日も慌ただしい。
物陰に隠れて3人を見守り、何かあればすぐに飛び出していく構えだ。
加えてお手製の着ぐるみを着用、魔物のふりをして3人を脅かしたりもする。嗚呼、目が回る!
さらに……3人は地図を読み間違えて、想定外のルートを進み始めた。ペコリーヌたちは顔を青くする。というのも、その先には魔物が多数潜んでいるのだ。というわけで、ペコリーヌたちは先回りして魔物を退治することになった。
<Step5>
とまぁたくさんのトラブルを巻き起こしつつも、3人は見事クエストを達成。飛び上がって喜んだ。
そんな少女たちを見て、ペコリーヌたちも嬉しそうだ。
▶2
以上をまとめると……
・おつかいする人:少女3人(ミミ、ミソギ、キョウカ。8-10歳)
・それをサポートする人:ペコリーヌ、コッコロ、キャル、ユウキ(11-17歳)
・おつかいの内容:クエストの達成(じつはペコリーヌたちが用意した偽クエスト)
▶3
さて、本エピソードの見どころはどこか?
ずばり、精一杯奮闘する3人の少女……ではない。確かに3人はかわいらしくて見ていて心和むのだが、しかし真の見どころとなると、それはもう「3人のために汗水垂らすペコリーヌたち」に違いない。
ポイントは、ペコリーヌたちもじつはまた子供だという点だ。
そう、彼らは11-17歳。「3人よりもちょっと年上」という程度にすぎない。まだまだ知らぬこと、できぬことも多いはずだ。
……が!彼らは、ほとんど見ず知らずの少女3人のために奮闘するのである!夢を叶えるべく奔走するのである!子供たちの夢を壊してはならぬと走り回るのである!
嗚呼、なんていい子たちなのだろうか!応援せずにはいられない。
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