本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される ~アニメ「魔法少女にあこがれて」の場合
◆概要
【本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「魔法少女にあこがれて」(第1話)
▶1
本作の主人公は、うてな(女子中学生)。
うてなが住む世界には、本物の魔法少女が存在する。
・Step1:魔法少女たちは、人々の日常を守るために悪の組織と戦っていた。
・Step2:うてなはそんな魔法少女の大ファンだ。グッズを購入するなど、日々「推し活」に励んでいた。
そんなある日、
・Step3:うてなの前に猫のような謎の生物が現れて――「きみには選ばれし力がある」。
・Step4:えっ。本当に?私も憧れの魔法少女になれるの!?うてなは大喜びである。
・Step5:ところが、謎の生物は続けて曰く「きみの選ばれし力っていうのは、悪の組織の女幹部の力だよ」。そう、うてなは魔法少女ではなく、悪の組織から女幹部にならないかと勧誘されたのだった。
うてなは愕然。
・Step6:彼女は当然拒否した。
・Step7:しかし謎の生物はしつこく付きまとい、さらにはうてなを強引に変身させてしまった。かくしてうてなは、いかにも「悪の組織の女幹部」といった格好になった。
・Step8:とその時だった。そこに魔法少女がやってきて「悪だくみは許さないぞ!魔法少女トレスマジア、ここに参上!!」。
・Step9:うてなは叫んだ「あっ、あのー!助けてください!私、無理矢理変身させられてー!」。
・Step10:うてなの言葉に、魔法少女たちは困惑する。マジアマゼンタ(魔法少女の1人)はポカンとして「……えっ?そうなの?」。
・Step11:しかし――他の魔法少女たちは「敵の言葉を信用したらあきまへんえ」「先手必勝よ」。というわけで、攻撃態勢に入った。
・Step12:うてなは半泣きになって「しっ、信じてもらえないなんて!」。
▶2
悪の組織から勧誘を受け、強引に女幹部に変身させられてしまったうてな。
彼女は魔法少女に助けを求めた。ところが魔法少女は――「敵の言葉を信用したらあきまへんえ」「先手必勝よ」。
「まぁ悪の組織の罠かもしれないからね、魔法少女たちがうてなの言葉を鵜吞みにしないのは頼もしいことだけれど……しかしそれにしても、うてながかわいそうだよ!(笑)」「憧れの魔法少女になれるかと思いきやそうではなく、さらに魔法少女に助けを求めても信じてもらえず……踏んだり蹴ったりだ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。