先入観・偏見のせいで、何もかもがそう見えてくる/疑わしく思えてくる ~アニメ「デンキ街の本屋さん」の場合
◆概要
【先入観・偏見のせいで、何もかもがそう見えてくる/疑わしく思えてくる】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「デンキ街の本屋さん」(第9話)
▶1
本作の主要キャラの1人・「先生」(女性、20歳頃)。
彼女には大きな悩みがあった。
ずばり、女子力があまりにも低いのだ。何とかしたいと思いつつもしかしどうしていいかわからず、彼女は今日も頭を抱えている。
▶2
そんなある日のこと。
・Step1:同僚のひおたん(女性、20歳頃)が風邪を引き、先生は見舞いに行くことになった。
・Step2:先生はグッと拳を握る。これはチャンスだぞ!!というのも……ひおたんは、いつもオシャレでかわいい女の子。女子力は相当に高い。ひおたん宅でアレコレ観察し、女子力アップのためのヒントを掴んでやろうと考えたのだ。
かくして見舞いにやってきた先生だが……
・Step3:ひおたん宅は、古くて汚いアパートの一室だった。いまどき珍しいオンボロ具合である。先生は驚く。しかしすぐに「これも女子力の秘密かも!後でメモっておこう」。 →勘違い1
・Step4:ひおたん宅のドアをノックする。すぐにひおたんが出てきた。彼女はパジャマにカーディガンを羽織っていたのだが……ひと目見て先生はギョッとした。あまりにもダサかったのだ!だが、すぐに考え直す。もしかすると、これが女子力の高い部屋着なのかもしれぬ。先生は感嘆する「私の女子力の定義が覆っていく!要チェックや!」。 →勘違い2
・Step5:その後も、散らかり放題の部屋を見ては「時には大雑把さも必要ということか!?」。 →勘違い3
・Step6:さらに、ひおたんに頼まれて洗濯物を干そうとしたら、げっ!おそろしくセクシーなパンツ、ブラジャー、さらには網タイツやガーターベルトが出てきた。先生は驚く。ひおたんといえば、ゆるふわでかわいらしい女の子だと思っていたのに、まさかこんな下着を身に着けていたとは!うーむ、これが女子力の秘密か。先生は「貴重な資料だ!」と興奮する。 →勘違い4
・Step7:しかし……間もなくそこにひおたんがやってきて慌ててこう言った「それはお姉ちゃんのだよ!」。
▶3
以上ご紹介したのは、「ひおたん=女子力が高い」という先入観があるがゆえに何もかもがそれらしく見えてきてしまう、「ほぉ!これが女子力というものか!!」「なるほど!これが女子力の秘訣か!!」と勘違いしてしまうという爆笑エピソードである。
「さすがにそれは女子力とは関係ないだろ!(笑)」「何でもかんでも女子力に結びつけるな!(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。