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映画「ビバリーヒルズ・コップ」の構成

ボゴミル警部補が言った「病院に行って、肩のケガを手当てしてもらえよ」

映画「ビバリーヒルズ・コップ」


◆概要

映画「ビバリーヒルズ・コップ」には、【物語の序盤と終盤に「類似性」のあるシーンを配置する】というテクニックが使われている。


◆詳細

本作の主人公はアクセル。彼はデトロイトの刑事だ。非常に有能だが、しかし事件解決のためならどんな手段でも行使するアウトローである。


◇序盤

ある日、アクセルのもとに昔馴染みがやってきた。彼は喜ぶ。2人は盛り上がる。

だが間もなく謎の男たちが登場。アクセルは首筋を殴られて気絶、昔馴染みは殺された……!


すぐに警察の捜査が始まった。

アクセルは「自分を捜査担当にしてほしい」と上司に頼んだ。しかし答えはノー。まぁ無理もない。彼はただでさえアウトローなのだ。しかも今回は友人が殺されている。どんな無茶な捜査をするかわかったものではない!

かくして、上司は言った「お前は病院に行って手当てをしてもらえ」。厳しい口調だ。アクセルを気遣っているようには見えぬ。厄介払いしたいのだろう。


アクセルは決意した「クソ!こうなりゃ俺は自分1人で真相を明らかにしてみせる!」。彼は休暇を取り、事件解決の糸口を求めてビバリーヒルズへ向かった


◇終盤

ビバリーヒルズにやってきたアクセル。彼はいつも通り大暴れする。

ビバリーヒルズ警察は「管轄外で勝手に捜査をするな!」とたびたび警告し、制止し、拘束する。だがアクセルは止まらない。


そうこうする内に、アクセルの活躍によって大きな陰謀が明らかになった。ビバリーヒルズ警察は次第に彼の手腕を認めるようになり、クライマックスでは協力して敵をぶちのめす。

そして事件解決後、ビバリーヒルズ警察のボゴミル警部補がアクセルに声をかけた「病院に行って、肩のケガを手当てしてもらえよ」。優しい口調である。


その後、アクセルがビバリーヒルズ警察の面々に別れを告げて帰路につくところで、本作は幕を閉じる。


◇注目ポイント

以上をまとめると、

・序盤と終盤の類似点:負傷したアクセルが「病院に行って手当てしてもらえ」と言われる

・序盤と終盤の相違点:序盤は「厳しい口調」、終盤は「優しい口調」


「厳しい口調」から「優しい口調」への変化……これは、友人が殺されるという悲劇から始まったこの物語が無事ハッピーエンドに至ったことを象徴していると言えるだろう。


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