大山鳴動して鼠一匹(さんざん大騒ぎしたわりに、結果が呆気ない) ~映画「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」の場合
◆概要
【大山鳴動して鼠一匹(さんざん大騒ぎしたわりに、結果が呆気ない)】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」
▶1
本作の主要キャラの1人・「B.A.」。
彼はアメリカ陸軍特殊部隊の隊員である。
筋骨隆々にモヒカン頭、いかにも強そうな外見をしていて、そして実際に強い。
ある日のことだ。
・Step1:悪党どもがたむろする工場にたった1人で乗り込んでいったB.A.。
・Step2:B.A.は、襲いくる敵を次々と素手でぶちのめしていく。相手が銃を持っていようと気にしない。B.A.のパンチが炸裂する。キックも炸裂する。敵は敢えなくノックダウン。とにかく強い。
・Step3:しばらくして、「アチョー!」という声が聞こえてきた。見ると、アジア系と思しき1人の男が立っていた。彼はB.A.を威嚇するように、あるいは自らのウォーミングアップのためだろうか、その場で見事な足技を披露した。ジャッキー・チェンもかくやという素晴らしい動きである。カンフーの達人のようだ。
・Step4:いよいよ強敵登場……と思いきや次の瞬間、B.A.が無言で前蹴りを放った。男の腹に命中。男は3mほど吹き飛び、窓ガラスに激突、その場に崩れ落ちた。死んだか、あるいは意識を失ったようだ。B.A.の圧勝である。
▶2
ご注目いただきたいのはStep3-4。
カンフーの達人らしき男が登場し、「これまでのザコどもとはひと味違いそうだぞ」「さすがのB.A.も苦労するに違いない」と見せかけて……一撃でぶちのめしてしまった!
嗚呼、拍子抜けである。
「いやぁ、確かにB.A.はメチャクチャ強くて格好いいんだけどさぁ、しかし……Step3は何だったのさ!(笑)」「お前、カンフーの達人じゃなかったのかよ!(笑)」「肩透かし感がすごい(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。