あまりにもダメ・予想以上にダメ(レベルが低すぎる、下手すぎる、劣悪すぎる、アホすぎるなど) ~ドラマ「After Life/アフター・ライフ」の場合 #1
◆概要
【あまりにもダメ・予想以上にダメ(レベルが低すぎる、下手すぎる、劣悪すぎる、アホすぎるなど)】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「After Life/アフター・ライフ」(シーズン2の第3話)
▶1
本作の主要キャラの1人・マット(中年男性)。
彼は、まじめで誠実な男である。
しかしいま、
・Step1:マットは人生に行き詰っていた。
・Step2:というのも、ある日ふいに妻が言ったのだ「別居したい」と。かくしてマットは愛する妻や息子と離れ、1人で暮らしている。
・Step3:また、仕事も上手くいっているとは言えない。
さらに、
・Step4:マットは定期的にカウンセリングを受けているのだが、彼の担当医がとんでもないやつだった。曰く「弱い男はなめられる!」「強いオスだってことを奥さんに見せてやれ!」「女とやりまくればいいんだ!」などと無茶苦茶なアドバイスを送った。
というわけである日、
・Step5:トニー(義兄、愛妻をガンで亡くしていまは独身)と2人でパブに行った時のことだ。
・Step6:マットは突然言った「よし、ナンパしよう!」。
・Step7:トニーは呆れる。お前はそんなタイプじゃないだろ。大体、離婚するかもしれないってセンシティブなタイミングなんだ。止めておけよ。
・Step8:だがマットは聞かない。彼は2人連れの女性客に話しかけた「やぁ。女子会かな?」。
・Step9:女性2人は「ええ、まあ……」。明らかに迷惑そうである。トニーも「いい加減にしろよ」と止める。
ところが、
・Step10:マットはナンパを続行した「警戒しなくていいよ。僕らは既婚者じゃない。いや、僕は結婚してるけど、いまは別居してるんだ。たぶん離婚する。あっ、トニーの妻は死んだ。ガンでね」。
・Step11:その言葉にトニーは呆れ果てる。彼はもう付き合っていられんと席を立ち、どこかに行ってしまった。女性2人もマットを完全に無視した。
・Step12:かくして1人取り残されたマットであった……。
▶2
マットはまじめで誠実な男だ。女遊びが得意なタイプではない。
しかしいろいろあってある日――ナンパしてやろうと決意した。
かくして彼は、パブで女性客に声をかけた「やぁ。女子会かな?」。さらに「警戒しなくていいよ。僕らは既婚者じゃない。いや、僕は結婚してるけど、いまは別居してるんだ。たぶん離婚する。あっ、トニーの妻は死んだ。ガンでね」。
「まだ名前を名乗ったり挨拶をしたりもしていない段階で『僕はたぶん離婚する』『トニーの妻はガンで死んだ』って……どんなナンパだよ!(笑)」「見知らぬ男からいきなり『僕はたぶん離婚する』『トニーの妻はガンで死んだ』と告げられる女性……怖かっただろうなぁ(笑)」「いくら何でもナンパが下手すぎる!(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。