おかしな「言い訳・弁解」 ~マンガ「うちのメイドがウザすぎる!」の場合
◆概要
【おかしな「言い訳・弁解」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:マンガ「うちのメイドがウザすぎる!」(第1巻)
▶1
本作の主人公は、ミーシャ(小2の女の子)。
ロシア人の血を引く絶世の美少女である。
物語冒頭、ミーシャのもとに1人の家政婦がやってきた。その名はつばめ(女性、28歳)。家事の腕前はプロ級だし、さらに、元自衛官ゆえに心身ともにタフという完璧超人だ。
ある日ふいに、
・Step1:つばめは気がついた。……あれ?今日は平日だ。ところがミーシャは当然のように自宅でのんびりと過ごしている。学校はどうしたんだ?というか、改めて考えてみると一度として登校するのを見たことがないぞ!?
というわけで、
・Step2:つばめは訊いた「お嬢様、学校には行かれないのですか?」。
・Step3:つばめの言葉にミーシャはドキッとする。じつは彼女は不登校児なのだ。学校に上手く馴染めず、また母を亡くした精神的なショックから、登校できなくなっていた。しかし、そんな事情を知られようものならお節介なつばめのことだ、「さぁ学校に行きましょう!私もご一緒しますよ!」なぞと言い出すに違いない。
・Step4:かくしてミーシャは脳みそをフル回転させた。何か言い訳を考えるのだ!!
一瞬の後、
・Step5:ミーシャはこう言った「わたしはロシア人だから学校には行かなくていいんだ」。
・Step6:短い沈黙。ミーシャは気まずい。うっ。さすがに無茶な言い訳だったか……?
・Step7:かと思いきや、つばめはうなづいた「そうなんですかー。治外法権というやつですねー」。納得したらしい。
・Step8:ミーシャは胸を撫で下ろす「こいつがバカで助かった……」。
▶2
「学校には行かれないのですか?」と素朴な疑問をぶつけられたミーシャ。じつは彼女は不登校児だ。しかしそれは知られたくない。隠しておきたい。
ゆえにミーシャはこう言った「わたしはロシア人だから学校には行かなくていいんだ」。多くの読者が「どんな言い訳だよ!(笑)」「苦しい言い訳だなぁ(笑)」と笑ってしまったに違いない。
ところが……その言い訳をなぜか受け入れるつばめ。「それで納得しちゃうのかよ!(笑)」「『治外法権というやつですねー』じゃねぇだろ(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。