エッチなシーンかと思いきや、そうではなかった ~ドラマ「After Life/アフター・ライフ」の場合
◆概要
【エッチなシーンかと思いきや、そうではなかった】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「After Life/アフター・ライフ」(第3話)
▶1
本作の主人公はトニー(中年男性)。
彼は愛する妻をがんで亡くし、そのショックから立ち上がれないでいた。いまやすっかり荒んだ生活を送っている。
いろいろあってある日、
・Step1:ダフネという娼婦と知り合いになったトニー。
・Step2:ふいにダフネが訊いた「ねぇ、仕事ないかしら?」。
・Step3:トニーは「仕事って……」と一瞬戸惑ってから「例えば?」。
・Step4:ダフネが答える「何でもするわよ」。
・Step5:トニーが訊き返す「何でもか?」。
・Step6:ダフネはうなずいた「そうよ。50ポンドでね」。
で、次のシーン。
・Step7:トニーが道を歩く。その後ろをダフネが続く。
・Step8:やがてトニーの家に到着。2人は家の中に入っていった。
そして次のシーン。
・Step9:部屋の奥から「ああ……ああ……」というダフネのセクシーな声が聞こえる。
・Step10:さらに、「これはひどすぎる!吐きそう」というダフネの声。
間もなく、
・Step11:すべてが明らかになる。じつはダフネは、トニー宅のキッチンを掃除(!)しているのだった。
・Step12:そう、妻を亡くして以降すっかり荒れ放題になっていたキッチンを掃除してもらうために、トニーはダフネを雇ったのだ(「ああ……ああ……」というのは、排水溝をごしごし磨く際に漏れ出た声だった様子)。
▶2
ひょんなことから、娼婦ダフネと知り合いになったトニー。
「ねぇ、仕事ないかしら?」「仕事って……例えば?」「何でもするわよ」「何でもか?」といったやりとりの後、トニーはダフネを連れて帰宅した。
ははぁ、さてはトニーは娼婦を買ったんだな。愛妻を亡くしてからずっと辛そうだったからなぁ。――と思いきや、「家政婦として雇ったのかよ!(笑)」「ベッドシーンじゃなくて掃除シーンかよ!(笑)」「どんなハードなプレイをしているのかと思いきや、排水溝掃除かよ!(笑)」「『何でもするわよ』とは言ったものの、まさかダフネもキッチンの掃除を頼まれるとは思っていなかっただろうなぁ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。