本末転倒(元の目的を見失う/何のためにやっているのかわからなくなる) ~マンガ「のみじょし」の場合
◆概要
【本末転倒(元の目的を見失う/何のためにやっているのかわからなくなる)】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:マンガ「のみじょし」(第4巻)
▶1
本作の主人公は、道子(アラサーのOL、カレシなし)。
彼女は呑兵衛である。
学生時代からの友人や会社の同僚たち、もしくは1人で、隙あらば酒を呑み、旨い料理に舌鼓を打っている。
▶2
さて、
・Step1:年末年始に暴飲暴食しまくった道子。
・Step2:このままではさずがにまずい。道子は摂生を決意した。健康のために大好きなビールを控え、代わりにウイスキーを呑もうという算段だ。
その夜、道子の自宅。
・Step3:ウイスキーでハイボールを作ってみると……おっ、旨い!
・Step4:道子は微笑んだ「普段あんまりハイボールは飲まないけど……イイねぇ~❤」「しかもこれで糖質は0!プリン体はビールの50分の1!安心してどんどん飲めちゃう!!」。
・Step5:ハイボールの旨さに開眼した道子は、早速家中のウイスキーをかき集め、飲み比べを始めた。
・Step6:さらに様々なアレンジ、トッピングにも挑戦する。すなわち、はちみつ、シナモン、生姜、柚子胡椒……。道子は笑顔で「よーし、今日はとことん試すぞー!!」。
・Step7:かくして道子は、夜遅くまでハイボールを飲みまくったのだった。
翌日、
・Step8:会社の同僚がツッコんだ「摂生するって言ってたのがなんで深酒してんのッ!!」「量を飲んだら一緒でしょうが!!」。
・Step9:道子が叫ぶ「ごもっとも!」。
▶3
健康のためにビールを控え、代わりにウイスキーを呑むことにした道子。
ところが……「ビールと比べてウイスキーの方が体にいいとはいえ、いくら何でもそんなに吞みまくったら摂生もクソもあるか!(笑)」「ただの『ハイボールを楽しむ夜』になってるじゃねぇか!(笑)」「道子よ、お前、本気で摂生する気ないだろ?(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。