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「先輩から厳しい指摘を受けたキャラA→しばらく後、Aは先輩の言葉を反芻する。ところがAの脳内の先輩は、現実の先輩よりも厳しいことを口にする」という展開によって、Aがいかにショックを受けているか暗示する ~アニメ「アイドルマスター ミリオンライブ!」の場合
現実の未希「未来たちもいい感じだったの。翼、もうすぐ負けちゃうかもねぇ」
↓
翼の脳内の未希「このままだと未来たちに負けちゃうよ」
◆概要
【「先輩から厳しい指摘を受けたキャラA→しばらく後、Aは先輩の言葉を反芻する。ところがAの脳内の先輩は、現実の先輩よりも厳しいことを口にする」という展開によって、Aがいかにショックを受けているか暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「アイドルマスター ミリオンライブ!」(第9話)
▶1
本作の主要キャラの1人・翼(14歳女子)。
彼女は、「MILLIONSTARS」というアイドルグループの一員である。
翼は、歌やダンスに関しては天才的な素質の持ち主であり、
・Step1:同期のアイドル(例えば未来)と比べても群を抜いている。
・Step2:が、彼女は気ままな性格だ。よく言えばマイペースで常に自然体。悪く言えば努力を嫌う。要するに、いつも手を抜いているのだ(それでも人並み以上にできてしまうのだが)。
ところで翼は、
・Step3:先輩アイドルの美希に強い憧れを抱いていた。
・Step4:というわけで――ある日、美希と一緒に仕事をすることになり、翼は大喜びである。
仕事が終わると、
・Step5:翼は笑顔で美希に近づいていった。そして「美希ちゃん、今日の私のダンスどうでしたか?」。
・Step6:美希は言った「うん、結構いい感じだったって思うな」。
・Step7:翼は歓声を上げる「やった~❤」。
・Step8:ところが、未希は付け足した「未来たちもいい感じだったの。翼、もうすぐ負けちゃうかもねぇ」(上述の通り、「未来」は翼の同期アイドルの名前)。
・Step9:翼は耳を疑う。えっ。私が負けちゃう?どういうこと!?
・Step10:未希は続けた「だって翼、本気じゃないでしょ?」「それじゃあ、いつまでもいまのままだから」。――童謡「ウサギとカメ」を引くまでもなく、余裕綽々の天才はいつか努力家に追い抜かれてしまうだろうというわけだ。
その後、
・Step11:自室に戻った翼。
・Step12:彼女はいまだ呆然とした様子で未希の言葉を反芻した「このままだと未来たちに負けちゃうよ」。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step8と12である。
・Step8で:未希が実際に言ったのは「未来たちもいい感じだったの。翼、もうすぐ負けちゃうかもねぇ」。
・Step12で:翼の脳内の未希が言ったのは「このままだと未来たちに負けちゃうよ」。
「負けちゃうかもねぇ」という可能性の指摘から、「負けちゃうよ」という断定へ――そう、未希の言葉が実際のものよりもかなり強くなっているのだ
これは、「翼にはそう聞こえた」という意味であり、つまりは翼がそれだけ強いショックを受けたことを示唆していると言えるだろう。
まぁ憧れの人から「お前さぁ、その内同期に追い抜かれちゃうよ」と指摘されたのだ。そりゃショックも受けるだろう。
なお、これをひとつのきっかけとしてやがて翼は本気を出すに至り、第11話ではついにその才能を如何なく発揮する。
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