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ちょっと揉めるとすぐに「○○で決着をつけよう!」。バトルが始まる

あくあ「揉めごとはジェットレースですっきり解決!」
syoco「それが神田川の掟……!」

アニメ「神田川JET GIRLS」(第5話)


◆概要

【ちょっと揉めるとすぐに「○○で決着をつけよう!」。バトルが始まる】は「本番前」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「神田川JET GIRLS」

▶1

本作の主人公は凜(高1の少女)。

彼女はジェットレースをやりたくて、長崎県の離島から東京の高校に転校してきた。いまはジェットレース部に所属し、パートナーのミサと共にトレーニングに励んでいる。

※ジェットレース:架空の水上スポーツ。ごく大雑把に言えば、「2人1組で行う水上バイクのレース」。


▶2

作中、凜は5回レースをする

・第1戦:対戦相手は、武蔵野女学館

・第2戦:対戦相手は、カリフォルニア・コーストハイスクール

・第3戦:対戦相手は、CSプロダクション学園

・第4戦:対戦相手は、聖橋大學附属高校

・第5戦:対戦相手は、上記4校+高田馬場女学院


上記の内、第1~3戦は野良試合、第4~5戦は「神田川杯」という栄誉ある大会中の試合である。


▶3

さて今回ご注目いただきたいのは、野良試合の始まり方である。

すなわち、何かでちょっと揉めると、すぐに「レースで決着をつけましょう!」と試合が始まるのだ。


<第1戦>

第1話終盤、凛とミサが神田川のほとりで話をしていると……「そこ、どいてもらえるかしら」。振り返ると、武蔵野女学館ジェットレース部の部員たちが立っていた。

凜が抗議する「どいてってどうしてですか?」「川は皆のものやけん!独り占めはずるかよ!」。

すると、かぐや(武蔵野女学館の大エース)がずいと前に出た。そして余裕の笑みを浮かべて、「あなたに教えて差し上げましょう。神田川には神田川のルールがあります。もしあなたがそのルールに挑戦するというのなら、川の使用権を賭けてわたくしたちと勝負します?……ジェットレースで!」。

凜が頷く「やります!ジェットで勝負つけましょう!」。かくしてレースと相成った。


ちなみに……神田川はジェットレースの聖地であり、各校ジェットレース部が事前予約をした上で交代で使うことになっている。

そして、この時は武蔵野女学館の予約時間だった。

つまり、悪いのは上京してきたばかりでルールを知らなかった凜であり、それを凜に教えてやらなかったミサ。かぐやたちに非はない。


<第2戦>

第3話終盤、凜が水族館で土産を買ってきた時のことだ。

凛は3種類のキーホルダーを取り出した。その内1つに黄色いイルカのストラップが付いていた。

一同ハッとする。

というのも……ミサは思う「凜のカバンには、青色のイルカのキーホルダーが付いている。つまり、この黄色いイルカのキーホルダーは凜とお揃いだ!パートナーとして、絶対に私がもらう!」

一方……ジェニファー(カリフォルニア・コーストハイスクールのジェットレース部員、日本かぶれのオタク)は「イエローのイルカはレアカラー!私、このシリーズ集めてるけど初めて見ました!だから絶対譲れないです!」

両者にらみ合う。

というわけで、「ジェットレースで決着をつけましょう」「望むところだ!」。キーホルダーを巡って戦いの火蓋が切って落とされたのだった。


<第3戦>

第5話終盤、凜とミサは、ひょんなことからツウィとティナ(2人ともアイドル兼ジェットレーサー)に出会った。

ツウィとティナは毒舌キャラである。じつは熱いハートを持ついい奴らなのだが、それが明らかになるのはもっとずっと後のこと。この時点では意地悪な2人組だ。

2人は初対面のミサを煽った。曰く「どこかで見た顔だと思ったらぁ、カリフォルニア・コーストハイスクールにまぐれで勝った人じゃーん」。

大切なパートナーを侮辱されたとあっては、凛は黙っていられない「まぐれじゃないです!」「絶対!絶対まぐれじゃなか!」。

というわけで、「だったら、私たちと勝負してみる?それで勝てたら、まぐれじゃなかったって認めてあげる」……さぁ、決戦である!


▶4

とまぁこのように、ちょっと揉めると即「ジェットレースで決着をつけましょう!」「望むところだ!」と野良試合が始まるのだ。

嗚呼、このテンポのよさよ!

本作はジェットレースに青春を賭けた少女たちの物語。「くだくだしい前振りは不要!とにかくジェットレースを始めましょう!」というスピード感が最高だ。

見ていて笑える。


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