おかしな「気配り・配慮」 ~ドラマ「グッド・プレイス」(シーズン1)の場合
◆概要
【おかしな「気配り・配慮」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「グッド・プレイス」(シーズン1の第3話)
▶1
本作の主人公はエレノア(40代の女性)。
ある時、彼女は「ジャネット」を呼び出した。ジャネットとは全知全能のAI(人工知能)のようなものである。
・Step1:エレノアは「あのね」とジャネットに語りかけるが……ふと不安を感じた。じつは彼女は、絶対に人に知られるわけにはいかない質問をしようとしていたのだ。万一知られれば命を狙われることになるだろう。
・Step2:かくしてエレノアは問うた「ねぇ、質問履歴は他の人から見られる可能性があるもの?それとも他人には漏れない?」。
・Step3:ジャネットが答える「完全に機密扱いです。他の人には見られません」。エレノアはホッとする。
・Step4:するとジャネットが続けた「で、どんなエロ画像をお探しですか?」(Now, what kind of pornography would you like to see?)。
・Step5:エレノアは慌てて否定する「ちょっ!違う違う!エロ画像を探しているんじゃない!」(No. No, no, no, not porn.)。
▶2
さすがは全知全能!「質問履歴は他の人から見られる可能性があるもの?それとも他人には漏れない?」というエレノアの問いを受けて「ははぁ、エロ画像を探そうとしているんだな」と推理、「どんなエロ画像をお探しですか?」と先回りしたわけだ。
なるほど、確かにエロ画像を探す時にはプライバシーが気になるものである。
しかしだからといって……「『プライバシーを気にする = エロ画像を探している』というのはさすがに早合点だろ(笑)」「その気配りは間違っている(笑)」と噴き出してしまった鑑賞者は少なくないと思う。
まったく、いくら何でも気の回しすぎである!