シーンの移行に伴って「背景」は変化するが、「キャラ」は画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま→キャラが受けたショックや感動の強さを強調する ~アニメ「リコリス・リコイル」の場合
◆概要
【シーンの移行に伴って「背景」は変化するが、「キャラ」は画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま→キャラが受けたショックや感動の強さを強調する】は「シーンとシーンのつなぎ方」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「リコリス・リコイル」(第1話)
▶1
本作の主人公の1人・たきな(女性、16歳)。
彼女はプロの暗殺者である。
なお、
・Point1:たきなは、極秘の治安維持組織「DA」に所属している。
・Point2:DAには他にもたくさんの少女暗殺者がおり、彼女たちは「リコリス」と呼ばれている。
・Point3:幼い頃から暗殺者として育てられてきたリコリスは、戦闘術などの様々な技術を身に付けている。それを駆使して犯罪者を暗殺、日本の治安を守るのが彼女たちの使命だ。
▶2
物語冒頭、
・Step1:たきなはDAの本部に所属していた。しかしいろいろあって、「喫茶リコリコ」なる珍妙な支部に飛ばされてしまう。要するに左遷だ。
・Step2:たきなは不満だ「なぜ私がこんな目に!?」。彼女は決意する「手柄を立てて早々に本部に戻ってみせる!」。そうと決まれば、まずは新しい職場に馴染まねばならぬ。たきなは、千束(喫茶リコリコに所属する先輩リコリス)の外回りについていくことになった。
・Step3:まずは保育園を訪問した千束。彼女は保育士や園児たちと楽し気に言葉を交わす。……たきなは訳がわからない。えっ。何これ?私たちの仕事は暗殺じゃないの!?
・Step4:しかし、それだけではない。幼稚園に続いて千束が訪問したのは日本語学校だ。どうやら彼女はここで講師をしているらしい。
・Step5:日本語学校の次は暴力団の事務所へ。千束は組長にコーヒーの粉を渡してやり、大いに感謝される。
・Step6:じつは千束は「暗殺なんてまっぴらごめん」「私は人の役に立ちたい!」「皆の笑顔のために自分ができることをしたい!」と考えて、日々リコリスらしからぬ活動に勤しんでいたのだが……そうとは知らぬたきなは大混乱だ。この人は一体何をしているんだ!?
▶3
さて、ご注目いただきたいのは「Step3から4への移行」と「Step4から5への移行」である。
じつはここ、
・シーンの移行に伴って「背景(=たきながいる場所)」は変化する
・しかし、たきなは画面の同じ位置で、同じ表情・姿勢のまま
……なのだ。
<Step3から4への移行>
<Step4から5への移行>
「シーンを跨いでも(=時間や場所が変化しても)たきなは微動だにしない」ということで、彼女が激しく困惑しているのが伝わってくる。
◆他のアイデアも見る👀
この記事が参加している募集
最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!