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胸アツ!「一度はバラバラになった仲間が再集結するシーン」の作り方!!|『ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」は、戦いを前に、あるいは戦いの最中に、続々と「仲間」が集まってくる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 上述の通り、「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」の最大の魅力は、仲間が続々と集まってくるところですが……。

嘉村 ええ。

三葉 いやぁ、「仲間が集結するシーン」や「援軍が到着するシーン」って本当に胸アツですよね!「仲間のため」、「友情のため」、「仁義のため」、「大義のため」。理由は何であれ、危険を冒してみなが集まってくるシーンには、大いに心が躍るものです。ということで……本記事では、「クリエイターの方が、『胸アツの集結シーン』を作る際のコツ」をご紹介したいと思います。

嘉村 承知しました。

三葉 さて「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」には、「魔法使い(ガンダルフ)」、「知恵者(メリーとピピン)」、「戦士(アラゴルン)」らが集結する胸アツシーンが描かれているわけですが……ここでご注目いただきたいのは、「彼らは元々仲間だった」ということです。

嘉村 ほぉ……?

三葉 彼らが出会い、仲間になったのは、前作「ロード・オブ・ザ・リング」の中盤です。つまり、彼らは本作以前に「集結」していた。

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかしその後、彼らは一度離れ離れになります。すなわち、「魔法使い」は戦死し、「知恵者」は敵に拉致され、「戦士」は戦いの中で行方不明になった。そしてしばらくして……彼らは続々「再集結」する!

嘉村 あー、なるほど。「集結」ではなくて「再集結」なんですね。

三葉 ええ、その通りです。「【集結】→【離散】→【再集結】」です。

嘉村 ふむ。

三葉 「見ず知らずの連中が集まってくるシーン」と、「残念ながら一度はバラバラになった仲間たちが、再び集まるシーン」。どちらの方がより心躍るかと言えば……。

嘉村 無論、後者ですね。

三葉 その通り!

嘉村 ふむ。

三葉 つまり、前作「ロード・オブ・ザ・リング」や、本作「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」の前半部分は、胸アツの再集結シーンを描くための準備パートだった!心躍る再集結シーンを描くために、わざと仲間たちを一度バラバラにしたのだ!……と言えると思うんですよ。

嘉村 なるほど。

三葉 これすなわち、「胸アツの集結シーンを描くために、仲間を一度離散させるテクニック」ですね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 このテクニックは、様々な作品で利用されています。映画やマンガ、小説、アニメなど、ぜひアレコレ思い返していただければと思いますが……例えば、「ジョジョの奇妙な冒険」(第3部「スターダストクルセイダース」)のアヴドゥル!


三葉 アヴドゥルといえば、熱血漢で仲間想い。さらに知恵者。チームのリーダー格です。そんな彼が……嗚呼、まさか!旅の途中、敵に殺されてしまった!作中キャラはもちろん、読者も衝撃を受ける。

嘉村 ふむ。

三葉 しかしその後、仲間が絶体絶命の危機に陥ったところで……華麗に復活!じつは彼は死んでいなかった!生きていた!

嘉村 ふむふむ。

三葉 まさに「【集結】→【離散】→【再集結】」型のストーリー展開です。一度退場した仲間が再集結する激熱シーンの典型例と言えるでしょう。

嘉村 なるほど

三葉 ところで「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」はファンタジー映画、「ジョジョの奇妙な冒険」は異能力バトルマンガですが……「【集結】→【離散】→【再集結】」型のストーリー展開は、様々なタイプの物語に適応可能です。

嘉村 ほぉ。

三葉 ファンタジーでも、異能力バトルでもない例をご紹介しましょう。すなわち「案①」は……「『ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔』 ~『ベンチャー企業』編」です。


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嘉村 ベンチャー企業!

三葉 ストーリーはこんな具合です。すなわち……物語冒頭、主人公が起業する。

嘉村 ふむ。

三葉 まぁ何でもいいのですが……ここでは、IT企業を興したことにしましょう。とはいえ、彼は何も持っていません。金がない。経験がない。そして仲間もいない。

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかし主人公には、優れたアイデアと、溢れんばかりの情熱がある!彼は八方手を尽くし、少しずつ前進していきます。「3歩進んで2歩下がる」なんて水前寺清子さん的シチュエーションに焦り、時には絶望することもありますが……やがて彼は、資金と仲間を手に入れた。

嘉村 ほぉ。

三葉 そして、プロダクトが完成。リリース。おお、なかなかの評判だ!こりゃいけるぞ!主人公は喜ぶ。ようやく苦労が報われたのだ!……しかし、ここで問題発生!プロダクトに致命的な欠陥が見つかったとか、競合プロダクトが登場したとか、そんな絶体絶命のピンチを迎えた。嗚呼、主人公は破滅してしまうのだろうか!?……というこのタイミング!ここです!ここで、一度はバラバラになった仲間が再集結し、危機を乗り越える!まさにクライマックスですね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 で、どんなキャラが再集結するのか?「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」では、一度は戦死した「魔法使い」や、敵に拉致された「知恵者」、そして戦いの中で行方不明になった「戦士」が再集結しました。

嘉村 ええ。

三葉 これに対して「案①」では、例えば……他社にヘッドハンティングされ、一度は会社を去った仲間(以下、A氏)が戻ってくるとか。

嘉村 ほぉ。

三葉 主人公は目を丸くする「おっ、お前は!」。A氏は照れ隠しに、ぶっきらぼうに答えた「オレってマゾなのかなぁ。給料だって福利厚生だって○○社の方がずっといいのにさ。結局戻ってきちまったよ」……なんて。

嘉村 いいですねぇ!カッコいい!。

三葉 あるいは……B氏も戻ってくる。主人公はこれまた目を丸くして「おっ、お前は!」。B氏は言った「『音楽でメシを食っていくという夢が、どうしても忘れられないんだ』なんて自分勝手なことを言って辞めたオレだが……いくらギターを弾いても、いくらライブをやってもダメなんだ」「……」。B氏が叫んだ「燃えないんだよ!」「!」「ギターの弦をかき鳴らすより、お前の隣でコードを書く方が燃えるなんて……ヘヘッ。我ながら困ったもんだぜ」。2人は握手を交わした。

嘉村 これまた熱い展開ですねぇ!

三葉 さらに……C氏も戻ってきた。彼は優秀なエンジニアだったのですが、同時に最悪のアルコール依存症者でもありました。仕事中も隠れて酒を飲み、やがて指先が震え、タイピングすら満足にできなくなった。かくしてC氏は退社した。しかし、それから数ヶ月!彼は苦しい治療を乗り越え、戻ってきたのでした。「治療は辛かったよ。まさに地獄さ。しかし本当に辛かったのは……お前さんたちと同じ夢を見れなくなったことだ。だからこうして、地獄から舞い戻ったってわけさ」。

嘉村 ほぉ!

三葉 とまぁ他にも、「大病を患い、泣く泣く退社した者」、「悪い女に溺れ、ボロボロになって退社した者」、「ライバル社に拉致監禁され、無理矢理コードを書かされていた者」などが再集結する!……「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」に勝らずとも劣らぬ胸アツのシーンになると思うんですよね。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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