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「かわいい義妹と初めて会った時のこと」をじっくり描いたかと思いきや、その直後に「妹とは、それからずっと、会っていない」という一文を置いて物語を急変させ、読者・鑑賞者に驚いてもらう ~小説「エロマンガ先生」の場合
妹とは、それからずっと、会っていない。
◆概要
【「かわいい義妹と初めて会った時のこと」をじっくり描いたかと思いきや、その直後に「妹とは、それからずっと、会っていない」という一文を置いて物語を急変させ、読者・鑑賞者に驚いてもらう】は「読者・鑑賞者の心を掴んで離さない語り口」のアイデア。
◆事例研究
◇事例:小説「エロマンガ先生 妹と開かずの間」(シリーズ1作目)
▶1
本作の主人公は、正宗(高1男子)。
物語は、彼が義妹と初めて会った時のことを回想するシーンから始まる。
我が家に妹がやってきた日のことを、いつも思い出す。
三月上旬、暖かい気候が続く中、その日だけは朝から冷え込んでいて、一面まっしろな空が俺たちを見下ろしていた。
春にふった雪のように儚げなあいつ、母さんの後ろに隠れて、俯きがちに俺を見つめていたっけ。
そして、上記の数行後、短いプロローグの最後の3行はこんな具合だ。
母さんに促され、おずおずと俺の前に進み出たあいつは、俯いたまま頬を赤らめ、小さな声で囁いた。
「はじめまして、兄さん」
妹とは、それからずっと、会っていない。
▶2
ご注目いただきたいのは、最後の1行である。
かわいらしい義妹とのハッピーな生活が始まるかと思いきや……始まる前に終わっちまった!
多くの読者は「えっ!?」と仰天したことだろう。何しろこの急変である。完全なる不意打ちだ。そりゃ誰だって驚く。
そして、「一体何があったんだ!?」「どうして会えなくなったんだ!?」と好奇心を刺激され、ググっと物語に引きつけられたに違いない。
つまり、【「かわいい義妹と初めて会った時のこと」をじっくり描いたかと思いきや、その直後に「妹とは、それからずっと、会っていない」という一文を置いて物語を急変させ、読者・鑑賞者に驚いてもらう】というテクニックである。
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