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「前シーンまでは爽やかな青空→しかし本番は重苦しい雨空」という変化によって、不穏な空気を漂わせる ~アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top」の場合

トレーナー「絶好調じゃねぇか!」

アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top」(第1話)


◆概要

【「前シーンまでは爽やかな青空→しかし本番は重苦しい雨空」という変化によって、不穏な空気を漂わせる】は「読者・鑑賞者の心を掴んで離さない語り口」のアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top」(第1話)

▶1

本作の主人公は、ナリタトップロード。

ウマ娘育成校「トレセン学園」に在籍する若きウマ娘だ。誰からも愛される人気者で、そして努力家である。


第1話、

・Step1:ナリタトップロードは重要なレース「皐月賞」に向けてトレーニングを積んでいる。

・Step2:ライバルは強い。しかし負けられぬ。「応援してくれる皆の期待に応えるべく必ず勝利してみせる!」と彼女は決意を固める。


レース直前、

・Step3最終調整にて、ナリタトップロードは素晴らしい走りを見せる。トレーナーは満足げに「絶好調じゃねぇか!」。ナリタトップロードも自信満々といった感じで頷く。なお、この日の天気は晴れ。美しい青空だ。画面全体が明るい。

・Step4:そして次のシーン、いよいよ皐月賞当日を迎えるのだが……天気は雨。空には暗雲が広がっている。画面は全体的に暗く、重苦しい雰囲気だ。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step3と4の天候。

「爽やかな青空」から「重苦しい雨空」へ……明らかに不穏だ。


「うわぁ。これは嫌な予感がする」「ナリタトップロードは負けてしまうのでは?」「ナリタトップロードもトレーナーもあんなに努力して、あんなに自信に満ちていたのに……いまとなっては負けフラグにしか見えないよ……」「ううっ、レースを見るのが怖い……」とドキドキした鑑賞者は少なくないだろう。

そして実際のところ、ナリタトップロードはゴール直前でまさかの逆転負けを喫す。


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