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おい、サッカー部!生徒会と癒着してるだろ!!|『大統領の陰謀』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「大統領の陰謀」をベースに新しい物語を妄想します。

※「大統領の陰謀」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「大統領の陰謀」は、政府の不正に気づいた2人の新聞記者が、取材を重ね証拠を集め、やがて真相にたどり着く物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『大統領の陰謀』 ~『日本の田舎町』編」、「『大統領の陰謀』 ~『産業スパイ』編」の2案でした。


案③


嘉村 それでは「案③」にまいりましょう!

三葉 はい。「案③」は、「『大統領の陰謀』 ~『ヤクザ』編」です。


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嘉村 ヤクザ!

三葉 詳細をご説明する前に、「大統領の陰謀」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案③」!まずは、「大統領の陰謀」との比較表をご覧ください。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……舞台は日本のとある都市、そして主人公は若い新聞記者です。

嘉村 ふむ。

三葉 ある日、主人公は上司から命じられる「A社の社長宅にこそ泥が入ったそうだ。取材してきてくれ」。主人公は現場に出向きます。警備システムが作動し、犯人はすぐに捕まったそうだ。誰かがケガしたということもない。じつにつまらぬ事件に思えた。……が!ふと、警官の声が耳に入る「おいおい。見ろよ、これ」。同僚の警官が応える「何だ、そりゃ?」。「こそ泥の持ちものだけどよ、この盗聴器や無線機は軍用のものだぜ。それに、こっちのナイフも」……軍用?主人公は疑念を抱く。本当にただのこそ泥なのだろうか?

嘉村 ふむふむ。

三葉 調べてみると……被害者の社長が経営するA社というのは、普通の会社ではない。暴力団の資金源となる会社、つまり「企業舎弟」や「フロント企業」と呼ばれる類のものだと判明する。


嘉村 ほぉ!

三葉 かくして、主人公は推理します。A社のバックにいるのは、暴力団A組。そして、A組とB組の間では最近小競り合いが続いており、「近い内に大きな抗争に至るのではないか」と噂されている。つまり……今回の事件は単なるこそ泥なぞではなく、B組がA組の機密情報を狙って盗聴器を仕掛けようとしたのではないだろうか?

嘉村 なるほど。

三葉 主人公は上司に報告します。上司がうなる「うーむ、一理ある。いい推理だ!よし、きっちり証拠を掴んでこい!」。こうして主人公は、自身の推理を裏づける証拠を探し始めます。しかし、取材は困難を極めた。何しろ相手はヤクザである。しかも度重なる抗争でピリピリしている。誰も彼も口が重いのだ。取材は早々に行き詰まる。致し方がない。主人公はそこまでにわかったことを整理し、とりあえず記事を書いてみる。上司に見せる。上司のこめかみに青筋が浮かぶ「テメェはアホか!憶測や又聞き、噂話ばかりじゃねぇか!こんな記事を載せられるか!」。主人公は落ち込む。しかし、上司の言うことはもっともである。

嘉村 ふむ。

三葉 困り果てた主人公は、以前別の事件で知り合いになった公安幹部に助言を求めてみる。公安幹部は「オレに聞いちゃうの?」と苦笑しつつも、いくつかヒントをくれた。主人公は取材を続ける。徐々に真相が明らかになってくる。しかし、まだだ!まだ情報が足りぬ!かくして彼は、フェアとは言いがたい取材を始める。

嘉村 「フェアとはいいがたいい取材」と言うと……?

三葉 「ヤクザが出入りするキャバクラにこっそり盗聴器を仕掛ける」、「なかなか取材に応じてくれない人に対して、刑事を騙って近づく」などですね。

嘉村 完全に犯罪ですね……。

三葉 まぁ、彼はそれほど情熱的だったんですよ。石にかじりついてでも真相を知りたかった。

嘉村 なるほど……。

三葉 とまぁ、時にサポーターの力を借り、また彼自身がダークサイドに堕ちたりしつつ、やがて真相が明らかになる。そして、彼の情熱的な取材が警察を動かし、A組とB組の抗争は未然に防がれたのでした。……で、おしまいです。

嘉村 ふむふむ。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『大統領の陰謀』 ~『高校の生徒会』編」です。


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嘉村 今度は学園もの!

三葉 「大統領の陰謀」と比較すると、以下のようになります。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……舞台はとある高校。主人公は新聞部の新入部員です。

嘉村 なるほど!「新聞記者」の代わりに「新聞部員」ですか。

三葉 ある日の放課後、サッカー部員3人が交通事故に遭う。幸いにも大きなケガではない。念のために入院するが、すぐに退院できるだろうとのこと。「大した事故ではないが」と新聞部の部長が言う「学校行事もなく、ネタに困っていたところだ。きみ、取材を頼むよ」。

嘉村 ふむ。

三葉 かくして、主人公は病院へ向かう。噂通り、部員3人は元気そうだ。パパッとインタビューをして、あとは写真を2~3枚撮れば取材は終了。簡単と言えばこれほど簡単な仕事はない。主人公は不服である……物足りぬ。しかし、だからと言ってどうしようもない。彼は病室を出る。すると、誰かの話し声が聞こえてきた。「道路に散らばった彼らの持ち物を拾い集めていた警官が、おたくの校章入りの封筒を見つけたんですよ。そして、何気なく中を見るとなんと50万円!50万円といえば大金ですからね。驚きましたよ。ただ聞けば、サッカー部の部費だそうですね。事件性がないので、先ほど彼らに返金しました」「そうでしたか。お手数をおかけしました。1人は教頭だ。もう1人は……刑事だろうか?雑談をしているようだ。刑事らしき男が笑う「それにしても、50万円とは羨ましいものだ」。主人公はぼんやり考える。……50万円か。確かに羨ましい。そういえば、うちの部長が憤っていたな「また部費が減らされた!許せん!生徒会の陰謀だ!」。部員みんなで、「部長、落ち着いてください。見苦しいですよ」と苦笑したっけ。サッカー部の部費は50万円もあるのかぁ……そこで主人公はふと気がつく!

嘉村 ほぉ。一体何でしょう。

三葉 彼は大慌てで学校に戻り、部室に駆け込む。そして叫んだ「いっ、陰謀だ!」。部長が肩をすくめる「落ち着けよ。見苦しいぞ」。主人公は、「あんたにだけは言われたくない」と思う。しかし、いまはそれどころではない。主人公が説明する「いいですか。彼らは、50万円を『サッカー部の部費』と説明したんですよ!」。

嘉村 ふむ。

三葉 部長のメガネがキラッと光ります「……副部長よ。今年サッカー部に支給された部費の総額を確認してくれ。生徒会の会計書類に載っていたはずだ」。副部長が書類を開き、そして息を飲む「……30万円です」。主人公が叫ぶ「そう!30万円しかないはずなんです!ところが、彼らは50万円の部費を持っていた……おかしいでしょ?」。部長が訊く「きみの推理を聞こう。どういうことだと思う?」。主人公が頷く「彼らが30万円を元手に利殖したという可能性もありますが……」。しかし、部長はかぶりを振る「毎日毎日ヘディングで脳細胞を破壊しているような連中に、利殖なんてできっこないさ」。副部長が咎める「部長、報道人として言葉を慎んでください」。主人公が続ける「僕は、部費に関して何かしらの不正があったのだと思います。そう……生徒会といくつかのクラブがグルになって、何か不正を働いているのではないでしょうか!」。部長がニヤリと笑う「オレもそう思う」。かくして、真相を明かすべく取材が始まります。

嘉村 なるほど。

三葉 主人公は、事情通の用務員の助言を得たり、あるいは「大統領の陰謀」や「案③」の主人公のようにダークサイドに堕ちつつも、やがて真相を解き明かす。……これが「案④」です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上、「『大統領の陰謀』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「大統領の陰謀」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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