ポイントは「現象の把握」と「ネーミング」!!|【第十二話(3) 波に乗ってくるポロロッカ】「【俗・】さよなら絶望先生」を三幕構成で分析する
▶ 「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ👽 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!
分析対象
三幕構成
ポイント①
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・第1幕:望が主張する「現代日本では、様々な場所で逆流現象が起こっている!」 → 甚六先生の例(キャラクターもののパチンコにハマったことをきっかけに、マンガを読むようになった)が紹介される
・第2幕前半:望が、いろいろな逆流現象の例をあげる
・第2幕後半:可符香が主張する「逆流を恥じることはありません!むしろ尊い!」 → 望が同意「男なら逆流!」。男たちが次々と逆流に挑む → 様々な逆流現象が描かれる
・第3幕(1):臼井影郎が「いつも足から女性を好きになります!」と逆流を語る → しかし「それは逆流ではないだろ」とツッコまれる
・第3幕(2):几帳面な木津千里が激昂する「逆流なんて許しません!」 → 木津千里は、逆流しようとした日塔奈美らを厳しく取り締まる
ポイント②
<1>
さらに、もう1段階抽象化してみましょう。
・1:望が昨今見受けられるトレンドに名前を付ける(「逆流現象」) → 様々な例が紹介される
・2:可符香がそのトレンドを肯定する → 可符香の言葉に力を得て、人びとがトレンドに流れ込む
・3:【オチ1】臼井影郎が見当違いなことを主張して、皆にツッコまれる
・4:【オチ2】木津千里がそのトレンドに反論し、トレンドに乗る者を断罪する
<2>
ご注目いただきたいのは、「フェーズ1:トレンドに名前を付ける」です。
ここをトチると、面白くも何ともない物語になってしまうでしょう。逆に言えば、この部分こそが作者の腕の見せどころ。
具体的には、
・【1】現象の把握:「あー、ハイハイ!そういうことってあるよね!」と、多くの人が共感してくれる現象を捉える
・【2】ネーミング:「なるほど!そう来たか!」と、多くの人が感心してくれる名前を付ける
……という2つの作業ですね。
そしてですね、「さよなら絶望先生」シリーズは、この「現象の把握」と「ネーミング」が抜群に秀でていると思うんですよね!
これこそが、本シリーズの魅力の1つ言えるでしょう。
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(担当:三葉)