「悪党をぶちのめしたヒーロー→一件落着した後、ヒーローが哀れにも悪党に殺されてしまった犬の墓参りをする」というシーンを描く ~特撮ドラマ「仮面ライダー」の場合
◆概要
【「悪党をぶちのめしたヒーロー→一件落着した後、ヒーローが哀れにも悪党に殺されてしまった犬の墓参りをする」というシーンを描く】は「読者・鑑賞者に好かれるキャラ、共感されるキャラ、応援されるキャラ」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:特撮ドラマ「仮面ライダー」(第9話)
▶1
本作の主人公は、仮面ライダー(いわゆる「仮面ライダー1号」)。
彼は、世界征服を企てる悪の秘密結社「ショッカー」が生み出した改造人間たちと日夜戦っている。
第9話、
・Step1:ショッカーは改造人間「コブラ男」を作り出した。
・Step2:狙いは世界中の金塊だ。コブラ男が放つ溶解液で金庫の扉などを溶かし、金塊を頂戴しようという算段である。
・Step3:まずは日本の大蔵省を狙うことにしたコブラ男。夜、彼は大蔵省にそっと侵入。金保管庫の扉を溶かし、ついに金塊を手にした――が、そこでワンワン!異変を察知した犬(ガードマンの飼い犬。名前は「ダミー」)が吠えかかった。
・Step4:しっ、しまった!このままではすぐに人が集まってきて、大騒ぎになるだろう。……というわけで、コブラ男はひとまず撤退。
・Step5:しかしこの時、動揺したコブラ男は自らの牙を落としてしまう。そしてダミーはそれに触れ、死んでしまった(嗚呼哀れ!)。
・Step6:ダミーの飼い主は嘆き悲しみ、墓を建ててやった。
その後いろいろあって、
・Step7:コブラ男をぶちのめした仮面ライダー。
・Step8:戦いの後、仮面ライダーは1人でダミーの墓を訪問した。そして花束を手向け、その魂の安寧を願ったのだった。
▶2
「動物好きに悪い人はいない」と俗に言う。
実際には「動物好きの悪党」がいれば「動物嫌いの善人」だっているわけだが、しかしどうやら私たちは「動物好き=善人」という印象を抱く傾向にあるようだ。
例えば、独裁国家のクソのごとき元首がじつは犬好きだと判明すると、「おや。あんなに犬をかわいがっているよ。きっとあのオッサンも根は善人なんだよ」なんて好意的に解釈してしまったりする。それほど「動物好き=善人」という固定観念は強いのだ。
というわけで上記シーンを改めて振り返ってみると――敵をぶちのめした後、犠牲になった犬の墓を訪れたヒーロー。
「人間のみならず、犬のことも忘れないとはさすがは仮面ライダーだ。彼こそが正義の味方だ!」とより一層好意を抱いた鑑賞者は少なくないだろう。
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