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百卑呂シの『なんのはなしですか』

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なんのはなしです課長コニシ木の子氏に回収された文章。
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#夏の思い出

汚い話の承継

汚い話の承継

 自分がまだ小学生だった頃に、母と妹と三人でバスに乗って祖父母の家へ行った。
 家の近くのバス停へ歩いて行くのに、途中で母が犬のうんこを踏んだ。
「あ、うんこ踏んだよ」と指摘すると、
「えぇっ!」
 母は驚いて足元を見た。そこには確かに大きめの犬のうんこが、踏まれた形に潰れている。
 嫌だぁ、と言いながら、踏んだ足を舗道にずずずとなすりつけた。地面にうんこが帯状に付着した。
 それから母は靴の裏を

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同級生

同級生

「急だから、誰が来るかはわからない」と言う小佐田と店へ入ったら、タケオがいた。
 タケオとみんな呼ぶけれど、実を云うとどうも自分は中学時代の彼にまつわる記憶がない。それでも先方はこちらを知っているようだ。それにみんながそう云って話しているから、同窓生には違いないのだろう。
 しかし覚えがないのにいきなりタケオ呼ばわりは何だかしづらい。だから苗字で呼ぼうと思ったら、自分は彼の苗字を知らないのである。

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雷神の話

雷神の話

 小六の時、学校で歯を磨いていたからあれは歯科検診の前だったのだろう。空がどんより曇ってきて、遠くでゴロゴロ聞こえ出した。
 それからじきに稲光がして、あっ、と思った。
「見た? 見た?」
「見た!」
 稲光を見たのはみんな初めてだったようで、甚だ興奮したのを覚えている。

 雷とは随分大したものである。今は仕組みがわかっているからどうということはないけれど、何も知らずにあんな音と光を見せられたら

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