年の瀬ターナラウンド(2021年の高評価記事について)。
アレですよ、2021年の振り返り的ななんかですよ要は。
折しも先週、note公式が矢文みてえな唐突さで今年一年の記録とやらを送りつけて来たんでね。そいつをネタに今年最後の一本を投下しておこうかという次第です。
さて、改めて2021年の記録。
数は誇りでも恥でもないので特段話す事もないですが、「今年よく読まれた記事ベスト5」については内容の解説とかした方がいいかなと思うんでその辺を書こうかと。
記事リンク貼ったところでその記事読んでくれるほど世間は甘くないですからね。というか、最悪読まれなくてもどういう内容かだけでも知ってほしい。正直に言うとそんなところです。
あ、上のリンク先では1位~5位の順で並んでいるようですが、自分の方では下の5位から順に書いていきますね。
んじゃはい、スタート(雑)。
第5位
本のちゃんぽんだって酒と同じくらい危険なんだよ。
沢木耕太郎のクッソ重たいノンフィクション、それと東海林さだおのクッソ軽いエッセイ。それをその場で交互に読む。ただそれだけの話。
自分で書いてて「うーんそこまで面白くねえな」と思ってたら予想外にウケが良く、ポンポンポンとテンポよくスキを頂戴してくる。なんだなんだ意外に評判良いじゃねえかと思ってるうち、しまいにゃ当方初の公式マガジン入りまで果たしてしまいました。
リアル友人の津田沼曰く
「君んとこの読者はこういうのを求めてる。そもそもこんな本の読み方普通はしないからその時点で面白い。たぶん君は自覚してないと思うけど」
との事。
実際、未だに自覚してませんね。普通に本読んでるだけだと思ってる。
それでもそれなりに評価されてnote公式の目にも留まるあたり、やっぱ面白いんだろうなあ。他人事みたいに言っててアレだけど。あともう少しマシなタイトルがつけられたのではないかと未だに思っています。
第4位
いつだって、はじめまして(初投稿記事100スキに寄せて)。
タイトルそのまま。初投稿記事のスキが100いった記念。
初投稿記事ばかりスキを集めてくるのが気に食わなかった初期の頃を思い返しながら、モノを書くことへの自分のスタンスを綴った記事です。
こうやって書くとつまんねー記事に見えるでしょうが、コイツ存外に好評なんですよ。具体的に言うと、この記事書いてる今現在で190足らずのビュー数に対し36ものスキを頂戴している。
基本的に数(特にビュー数)はあまり信用していないんですが、ビューとスキの数の対比だけは割と気にしています。その記事が真にハイクオリティと言えるのか、客観的な指標として一番信用できるのはそれだと思うので。
ちょっと話がそれますが、おそらく今回のベスト5もそれに近い考えで選出されてると思うんですよ。その証拠に、ちょっとダッシュボードのスクショ貼っつけますね(期間:2021年の1/1~12/31)。
ビュー数順。
ピックアップ記事が予想外に読まれていた事を知ってビビった。ありがてえありがてえ。
スキ数順。
この辺見る限り、純粋なスキ数では劣っていても、ビューの数との対比で言ったら上位に来る記事が今回のベスト5という事なのではと考えます。他にも色々要素はあるんでしょうが、自分のプアーなオツムじゃこれ以上はもうわからん。
そういう意味では、この記事は今年書いた全記事の中でもかなりの優良児ですね。ダッシュボード見るまで気づかなかったけど実は侮れない奴だった。
書いた本人の主観でなく、客観的データで面白さが保証された珍しいケースの記事です。よろしければご一読を。
第3位
「なんでもいいから何か書け」
初投稿記事。これまでの来し方とnoteを始めるに至った経緯を私小説風に綴ったエッセイ。
今年度では第3位ですが、ビュー数・スキ数ともに全期間中不動のNo.1なのがこいつです。つまりオールタイムベスト。
書いた当初はただの自己紹介のつもりだったのですが、時が経つにつれて良い記事だなあと思えるようになりました。なぜモノを書くのか、なぜnoteを選んだのかという普遍的な(=初投稿なら誰でも書くような)テーマを、どこの誰にも似ていない自分の言葉で紡いでいる。なるほどそりゃ高評価につながるわけだわと、初投稿から1年半経ってようやく理解できた気がします。
というか、第4位の記事でも書いたけど初投稿&自己紹介にしてはパンチが効いてる。note界隈の空気とか何も知らないぶん、むしろこの頃が一番尖ってたまであると思う。
初期衝動ってテクニックより遥かに大事だなあ、キラキラしてて良いよなあ。
この記事を自分で読み返すたび、そんな事を思っています。
第2位
タイトルに訊け。
”自分にとって”面白い本は、誰かのオススメでなく自分がピンと来たタイトルで選べ。そういうテーマのもと、主に小中学生の頃に自分がタイトルだけで選んだ本を幾つか紹介する記事です。なお大半は小中学生には早すぎるノワール(≒アウトロー小説)だったもよう。
「あー書くことねーしこれまで読んだ本についてでも書くかなー」程度のノリで書いたら、投稿2日目時点でビュー300&スキ30を頂戴した怪作。でももっと凄いというか笑えたのは、投稿3日目以降はビューもスキもぱったり止まったこと。ツインターボかお前は。
この辺のカラクリは多少見当がついています。
というのも、こいつどうやらnoteトップの左端のジャンル一覧から「カルチャー」→「読書」とクリックしていった先にある「読書・書評」というコーナーの「話題の読書・書評記事」の中に入ってたようでして。
現在「話題の読書・書評記事」は存在しておらず、第5位でも紹介した公式マガジン「みんなのおすすめの本 記事まとめ」として発展的解消がなされています。要するに、己の知らんうちに記事が公式入りしていたということです。
今更言っても始まらんが、そうならそうと何か通知してくれnoteちゃん。類を見ない短期間でのビューとスキの爆増に、こちとらガチで個人情報流出を危惧したんだからな。
それにしても、瞬間最大風速だけで第2位にまでランクインしたという事実が笑える。
でも読み返してみると割と面白いし良い事も言ってる。もっと細く長く読まれてもいい記事だと思う。というか読んでくだしあ。
第1位
いつもケツには文庫本(あるいは、趣味としての読書について)。
3年間の職場の昼休みだけで読んできた本数十冊を振り返りつつ、なぜ自分が本を読むのかを考える私小説風のエッセイ。
実を言うと、こいつが自分にとって一番謎。
例によって例のごとく「あ~何もネタがねえ~。まーた自分が読んだ本とか読書とかについてくらいしか書けねえ~」とウダウダ言いながら書き上げて、土曜の20時半とかいう誰も読みそうにない時間帯に投稿。書いた本人にも特に自信や感慨はなし。
なのに読まれる。投稿当初は閑古鳥が鳴いてたけどじわじわと伸びる。誰かのオススメもらったとか公式マガジン入りとか、そういうブーストは何もない。ただ細く長く読まれ続ける。
そうして気づけば第1位。完全に実力(=記事自体の面白さ)だけでトップを勝ち取ったスゲえ奴。だけど書いた本人がそのポテンシャルを未だに理解していない。
自分で書いてて面白さを自覚できないのはけっこうな問題ですが、差し当たってはリアル友人の津田沼の感想を載っけておきます。こいつの方が俺よりはるかに言語化できてる。
散りばめられた教養・共感を多く集めそうなテーマ・作者(自分)のセンスが表れた言い回し・言いたいことの明確化。いろんな要素がバランス良く詰め込まれていたと思う。
なぜ読書を嗜むのか、そもそも趣味とは何なのかという普遍性あるテーマだから、いつ誰が読んでも面白い。有名無名問わず、本をたくさん挙げてたのも興味を惹かれる。
個人的には一皮剥けたと思った。
友人とはいえ、津田沼は結構な辛口なんですよ。ちょっとでも記事のクオリティが落ちたら「こんなもんお前じゃなくても書けるわ。もっとお前にしか書けないもん書け」と宣ってくるくらいには。
そういう男がここまで評価したという事実と、これまで読んで頂いた皆様方の評価から言って、やはりこの記事は年間ベストに相応しいクオリティなのだと思います。
個人的にも、言うならこの記事は「私の本棚紹介します」的な内容ですので、初見の方にこそ読んで頂きたいと思うところです。本棚にこそその人の人格が表れますから。
ベスト5の紹介は終了です。あえて総括するなら、書評記事が上位に来てるあたりコンテンツ語りは強いというところでしょうか。勿論、それをどう語るかが書き手のセンスであり腕の見せどころなのですが。
折角の機会なんで、あと2本だけ記事を紹介しときます。いずれも公式マガジン入りを果たしたというのが理由です。
EX1.
昭和レトロなラーメン屋にふさわしいマンガをつらつら考えてみた。
昭和で時が止まったような小汚い町中華。そこによく置いてあるマンガをピックアップしながら、そいつらが本当に町中華というフィールドに相応しいマンガと言えるのかを考察する記事。
こちらの公式マガジンに入れていただきました。
9000字くらいのクソ長文なんですが、読んで頂いた方からの評判はおおむね良いですね。長文につき合ってもらった上に面白いと言ってもらえるのは本当にありがたい事です。
もっとディープな角度から語り倒したいとも思いましたが、広く多く楽しんでもらうならこれくらいのライトさで丁度良かったなと思っています。「むこうぶち」の劉がいかにひとでなしであるかとか「CUFFS」のハンニバル・ゲンがいかに良いキャラしてるかとか、タガを外して語りまくったところで胡乱窟の住人くらいにしか伝わらんでしょうし。
EX2.
イヴに独りで鯛を喰う。
私小説風エッセイ。仕事の調子も悪けりゃ連れ合いもいない、ロクでもないクリスマスイヴの夜にひとり寿司屋に行く話。
こちらの公式マガジンに入れていただきました。
いつも通りのエッセイを書いたつもりだったのですが、読んでいただいた皆様からの評価がベラボーに高い。あの辛口の津田沼ですら大絶賛。挙げ句に公式マガジン入り。
正直驚きましたが、やはり嬉しいですね。何しろコンテンツ語りでない本業の自分語りで、初めてnote公式の目に留めていただいたので。
ひとつ思うのは、メシ食う描写の解像度がやたら高くなったなという事。前はここまで高い解像度では書けなかった。
思うに、パルプ関連に首突っ込んでみてから文章の質が上がったように感じます。言うて小説の書き出し800字を3本書いた(ただし死ぬほど真剣に打ち込んだ)だけですけどね。何も関係なさそうだけど、それ以外に特に変わったことはしていない以上それしか原因はないよなと。
やっぱMEXICO修行ハンパねえという事で、ひとつよしなに。
おわりに
2ヶ月更新ストップしたり、リハビリとして一週間連続で記事書いたり、しまいにゃ突然パルプ書いてみたりと無軌道極まりない一年間でした。その分多彩で強力な書き手さん方とつながれたのは大変嬉しく思います。
一つ言い切れるのは、能動的に頑張ったぶんだけ見返りも大きかったという事です。文筆的な意味では、去年よりも遥かに実り多い一年でした。
エッセイ、コンテンツ語り、パルプ。
何を書くにしても、読んで良かった/面白かったと思っていただけるものを書けるよう心掛けて参ります。22年もどうぞよろしくお願いします。
嗚呼、年内に書き上がった。
これでビール飲みながら年が越せる。
大晦日の23時に投稿して誰が読んでくれるんだってのは、この際無しにしとこうぜ。