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運送会社経営者のための銀行対策(決算編)

noteをご覧いただきありがとうございます。

運送会社はトラックなどの車両や、車庫などの地代家賃、ドライバーの人件費、そして、債権回収には2カ月から6カ月を要する回収期間の長さなどを理由に金融機関からの資金調達は欠かせないものとなっています。

今回は金融機関とはできるだけ良好な関係でいたいと思っている運送会社の経営者の方向けに私自身も行っている銀行対策についてお伝えしていきたいと思います。

決算書は経営者が作るもの

「銀行員」
✖✖社長!昨年と比べて営業利益が減っていますが何が原因だったんですか?
「経営者」
見ても分からないし、税理士に任せてるから税理士に聞いてくれる?

こんな会話をしたことはございませんでしょうか?
実は多くの経営者に当てはまるのではないでしょうか。
税理士事務所に勤めているときに経営者の方たちからよく耳にした記憶がございます。

さて、見出しにある「決算書は経営者がつくるもの」ですが、なにも確定申告などを経営者自身で作成しなさい!と言いたいわけではございません。

決算書は、1年間に行った商売の結果を報告するものでどんなことに資産を使ったか、どうして資産が増えたかなど伝えるものです。
何に使ったかと勘定科目は画一である必要はないのです。
決算書は「経営者の主張」なのです。

例)トラック修理代300万円
運送業を営んでいれば避けては通れない交通事故があります。
※車両保険は入っていない会社の場合(運送業では意外に多いです。)
過失がある(100:0)交通事故により修理が必要となった場合に修理工場やディーラーに修理を依頼します。

①税理士の処理
 修繕費300万円(販売費及び一般管理費)
 ⇒理由:修繕に使ったお金なので

②経営者の主張
 特別修繕費300万円(特別損失)
 ⇒理由:臨時なもので、かつ、多額である修繕のため

このようにトラックの修理代は修繕費(販売費及び一般管理費)に計上しなければならないわけではございません。

上記の図をご覧ください。
修繕費を販管費に計上した場合と特別損失に計上の比較です。
当期純利益こそ同じマイナス金額となっておりますが、営業利益の部分に違いがあります。

営業利益=本業の儲け

なので営業利益はなんとしても黒字にしたいところです。
本業で儲からないところにお金を貸したいと思いますか?

タイトルには「銀行対策」と書きましたが、銀行員も人間ですから良くしてもらっている会社にはできるだけ融資をしたいものです。
つまり、人と人の繋がりが大事なのです。
本業では黒字だけど、最終は赤字になっていたとしても今期限りのもので来期には影響しないでしょう。と決済担当者にも説明がつきます。

今回の例のように経営者にしか分からない経費は他にもたくさんございます。
しかし、税理士事務所は他にもたくさんのクライアントを抱えており1つのクライアントにだけ力を注ぐことはできません。
こちらから要望しない限りは通常通りの処理を行います。(決して悪いことをしているのではありません)

これをきっかけに経営者自ら顧問税理士と共に積極的に数字の作り込みに参加して金融機関との関係を良好にしていけることを願っています。

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