【逆噴射プラクティス】あのころ俊弥おじさんと
僕が満十歳を迎えた九年前のその日に、父は交通事故で不帰の人となった。明朗だった母は一週間も泣き通した後、永遠の喪に服すかのように全く笑わぬ人となった。当時の僕はそれ以前からいじめの標的にされていたが、父が死んでからは更にえげつなく虐げられた。裸で吊るされた事もあれば砂を食べさせられた事もある。母も僕も、生きる事に倦み疲れていた。
トシヤ伯父さんが家に来たのはその頃だった。離婚の末に転がり込んできた母の兄は、逞しい背中いっぱいに般若の顔を彫っていた。母は迷惑そうだったが、僕