【fromラボ】乳酸菌、糖尿病の発症リスクを低減?
食品大手の明治と東京大学は3日、同社が保有する独自素材の乳酸菌「Lactobacillus plantarum OLL2712」(MI-2乳酸菌)が入ったヨーグルトを糖尿病予備群の成人が摂取すると、糖尿病の診断基準の一つとされるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が低下する効果があることを確認したと発表した。同社はMI-2乳酸菌が糖尿病の発症リスクを低減する可能性があることを突き止めた。
今回の試験は、HbA1cの値が5.6%~6.4%かつ空腹時血糖値が100mg/dL以上125mg/dLの糖尿病予備軍とされる健常成人130人を対象に行った。65人ずつ2つのグループに分け、1つのグループはMI-2乳酸菌が入ったヨーグルトを12週間、毎日1個摂取してもらった。一方で、もう1つのグループはMI-2乳酸菌が入っていないヨーグルトを同様に摂取してもらった。その結果、摂取前と比べて両グループともHbA1cの数値は低下したが、MI-2乳酸菌入りのヨーグルトを摂取したグループの方がより低下したという。また、インスリン抵抗性指標(HOMA-IR)の変化量を調べたところ、MI-2乳酸菌が入っていないヨーグルトを摂取したグループではインスリン抵抗性指標(HOMA-IR)が高まった。一方、MI-2乳酸菌入りヨーグルトを摂取したグループはHOMA-IRが高まらず、正常のままだった。
明治はMI-2乳酸菌がHbA1cを低下させたメカニズムについて、MI-2乳酸菌が腸管内で抗炎症性物質(IL-10)の産生を誘導することで、内臓脂肪組織の慢性炎症を抑制。その結果としてインスリン抵抗性を改善することで、糖代謝の悪化を防ぎ、日々の血糖コントロールを良好にした結果だと分析している。
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