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“わたしの作品は、オリジナル作品を見るためのフィルターでありたい”~『福田美蘭展/千葉市コレクション遊覧』
千葉市美術館で開催されている、『福田美蘭(1963-/東京芸術大学卒)展/千葉市コレクション遊覧』を見てきました。
千葉市美術館の所蔵作品と、福田さんの作品のコラボ。見比べるほどに、新しい発見のある、面白い展示でした。
福田さん独自の、解釈によって生まれた新しい作品。キャプションも全て、ご自身の手による物です。
菱川師宣「酒呑童子 褒賞(千葉市美術館蔵)」
福田美蘭「大江山の酒呑童子退治」
酒呑童子の物語を一つの画面に収めた作品です。大きくて迫力がありました。過去絵を模倣するのではなく、作家の新しい視点で、複数の絵を一枚に調和させ構築する。手芸のパッチワークの作品を見ている様でした。
鳥居清長「美南見十二候 九月(千葉市美術館蔵)」
福田美蘭「美南見十二候 九月」
こちらも大作でした。清永と同じテーマを描いていますが、福田さんの作品の方が明るく、女性の艶やかさが増しているような気がします。福田さんの手にかかった物を見てから、オリジナルを見ると、更にイメージがくっきりとしてきます。
福田美蘭「見返り美人 鏡面群像図」
第一会場始めの見返り美人を、7人配した作品もインパクトがありました。鏡の迷宮に入り込んでしまった、見返り美人。戸惑っているような動きがユニークです。
会場は一部撮影が可能でした。
いよいよ本日10/2(土)より「福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧」スタート!現代美術家・福田美蘭と千葉市美術館の浮世絵・江戸絵画コレクションが夢のコラボレーション!原作への飽くなき追求と驚きのアイディアで表現された新作をぜひ間近でご覧ください。https://t.co/SDLhaf4eWP pic.twitter.com/YmbeAKjx1v
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) October 2, 2021
美蘭仕様の力強いパッケージのエレベーターも、存在感を放っていました。 病魔退散の願いを込めた朱色を使った作品が多かったのも、今ならでは。印象的でした。
会期は12月19日まで。ひとひねりある、美術鑑賞の視点が変わる展覧会で面白かったです。
こちらの企画展のチケットで、常設展も観覧出来ます。
毎月テーマを変える常設展、本日10/5(火)からは「特集 深沢幸雄/秋の風情/見立とやつし/オマージュあるいはパロディー/特集 吉澤美香」です。谷文晁や森寛斎、鈴木春信など浮世絵や近代版画をご紹介しています。企画展「福田美蘭展」とあわせてお楽しみください。https://t.co/AWmS8Eoger pic.twitter.com/5hhnoMT17X
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) October 5, 2021
趣きある市庁舎のビルの中にある、千葉市美術館。今回は常設展と合わせても、2時間程で鑑賞出来ました。美術館利用の方は駐車料金が無料(地下、先着85台)になるので、時間を気にする事なくゆっくり鑑賞出来ます。気軽に、訪れてみてはいかがでしょうか。
※タイトルの“”内は、千葉市美術館 scene news vol.100 福田美蘭インタビューより引用