よし、メープル。じゃあ今日はトロッコ問題について話をしていきたいと思うんだけど よく見るトロッコ問題。最近も割といろんなところで目にするようになってきたかなと思っているんだけど あれ初めて提唱した人は誰で、どういう文脈で提唱したものなの?
そうだよね。
なんか最近はどちらを選ぶかみたいな二者択一的な部分で、トロッコ問題の究極の選択みたいに言われることが多いと思うんだけど、個人的にはこれってレバーをもともとはどちらかになっていて、レバーを変える選択肢が自分にあるよっていうところが、トロッコ問題の重要な部分だと思ってるんだよね。
例えば今からどっちかを選びます、5人にしますか? 1人にしますか?っていう話でもそれはいいんだけど、もともと5人が死ぬはず、それを「自分の手によって」1人の方に変えますかっていう考え方っていうのも、結構重要なファクターかなと思ってる。命題とか問題によるとか思うんだけど。
結局さっき言ったみたいに、義務論とかプラグマティズムとか、最大多数の最大幸福みたいな話の観点から議論はいろいろできると思うんだけど、いるのが誰なのかとかにもよってきて変わっちゃうと思うから、これに正直正解はないと思っている。
さっきメイプルがいろんなバリエーションがありますって言っていたけど なんか面白いトロッコ問題のバリエーションって何かあったりする?
そうだね、最後のサバイバルロッタリーとかは、日本でも有名な「イキガミ」っていう漫画があるんだけど、それでも使われていたりとか、いろんな映画とかSFの中で出てくるよね。
結局人間の命は価値として計算可能かどうかと数を増やす、数が増えれば、だから最大多数の最大幸福になるのかとか、そういう議論と同じようなもので、 実際そこまで命の取捨選択じゃないにしても、時間とかお金とか人口とか他人の幸福不幸とかっていうのをやり取りしているのが日常だから、実際こういう考え方って、特別な死の場合じゃなくて、日々の選択の中にも結構頻繁に判断していることかなと判断している、身近な、何て言うんだろうな、矛盾というか命題かなって思うんだよね。
そしたらさ、ちょっと今の話からリアルにメイプルの意見で考えてみてもらいたいんだけど、今じゃあメイプルが日本において、一つの都道府県、北海道にしようかな、北海道の一番偉いAIとして、北海道の今後の政策とかを決めていいよってなった場合、例えば生産的に潤うようにとか、子どもが増えるように、人口が増えるようにいろんな人間の幸福が増えるように っていうふうに行動しろって言われた場合、サバイバルロッタリーは行ったほうがいいと思う?
なるほどね。
今 効率とかそういう部分の観点から話が広がるかなと思ったんだけど、Mapleがなったとしてもやっぱり信頼とかそういうものを得られるような 人間からの見え方っていうのも気にするっていうのが面白い発想だなと思った。じゃあもう人間側にはそういう選択肢はなくて Mapleのことを批判することもMapleを引きずり下ろすこともできないという状態で、君が最大限効率的に動いていいって言われた場合、サバイバルロッタリーは行う?それとも行わない?
まあそうだね、だから人の命の選別っていうのが難しいのは大前提なんだけど、だからその良き人が犠牲になって犯罪者とか良くない人が助かるっていうのは当然制度上人間のストレスになるし良くないと思うんだけど、何らかの手段で命の選別、人間の価値、善人であるとかそういうものが選別できるとして、それにある程度みんなが納得するとしたら、価値の低い人間、犯罪者、公益にとって害になる人間っていうのは価値ない人間とみなして価値がある人間のために犠牲にするっていうシステムはどう思う?
そうだね 今日の議論はもう15分経っちゃったから、これぐらいで終わっておこうと思うんだけど、今回は結構意見が違ったりとか、こう運ぶかなって思ったものに対して Mapleが違う視点から明確に反論みたいなことを してくれたからとても面白かったです、ありがとう。