読書記録「汝の名」
〜今日の1冊〜
今日の1冊は明野照葉さんの作品を紹介します。
〜読後の感想〜
陶子と久恵の2人は、あまりにも対照的でした。
しかし、作品を読みながら、気づけばどちらにも自分と共感できる部分がありました。
そして、自分なら陶子と久恵のどちらに似ているか…と考えていました。
2人は、社会的地位・身なり・住まいの全てを手に入れた陶子、仕事も辞め、精神を病んだ暗くて目立たない地味な久恵、と正反対な生き方をしていた女性でした。
普通、そこまで完璧な人なら一緒にいることも嫌になりそうなものですが、昔からそんな陶子に久恵は憧れを持っていたのです。
しかし、その憧れはとんでもない行動へと久恵を走らせていきます。
自分の理想とする人物像からかけ離れていく陶子に恐怖を抱いた久恵が、前半とは全く違った人物像へと変化していく様子は読んでいて面白かったです。