ダブり〜1限目〜G

俺はエトウの事をゴウに調べてもらう事にした。その代わりに俺も少し面倒事を頼まれた。
これが俗に言う、因果応報ってやつなのか?
そうだとしたら早い巡りようだ。

次の日、学校へ向かう途中。

「会長、おはよう。ところで昨日どうだった?
てか、あれからずっとメール待ってたのにぃぃ
気になって正直、今日寝不足だよ」
と副会長が声をかけてきた。

俺は、副会長に
「わりぃ。昨日はかなり遅くなったからな」
とルートでの事を話をした。

「えっ!?それホント!?」

「あぁ」

「でも凄いね。じゃーエトウくんの事
何かわかりそうだね?」
と副会長が言った。

すると
「これは、これは、コニシくんっ」
と駅前で話かけられた。
ポリ公のタツだ。

「おぉ!おはよう。てか、【クン】付けやめろっ」
「に、しても昨日はお疲れ様だったな」
と昨日の事を労った。
タツは俺の横にいる副会長を見て
「おはよう」
と言うと、
「おはようございます」
と副会長は頭を下げた。

「ユウ?」
とタツに呼ばれた。
俺は
「ん?どうした?」

すると向こうから勢いよく原チャリが!
ピッ ピーっ
「コラぁぁ!なんしとんじゃ〜!!」
「お前ら2人乗りやめろっ〜!!」
とタツは2人乗りを注意した。

すると後に乗ってる奴が
「うるっせ!!バーカっ!ポリ公が!?」

俺はタツに
「お巡りさんも大変だな」
そう言うとタツは
「なんじゃと!コラァァ!!国家権力舐めんなよ」
と言ってタツは自転車に乗り
原チャリ2人ケツを追いかけた。

どうやらタツは毎日この街の平和を守っている
ようだ。

副会長が
「会長っ!?ヤバいかも?」

「ん?」

「時間」

「マジか?急ぐかっ」
そんな感じで学校へ行った。

でも、それはそうと日にちが経つにつれ
俺は【会長】と呼ばれることに少しずつだが
何とも思わなくなっていた。
学校と言うのは不思議なもので
毎日行くとそれなりに楽しいもんだ。
ただ、授業だけは何度うけても退屈だ。
でも、
流石3回目!と、なるとある程度理解してる
俺がいた。


で、昼休み。

食堂で並んでいると、ゴウ達がきた。
「おう!昨日はお疲れっ!」

「お疲れ!昨日は、話せてよかったよ」
って俺は言った。

するとゴウは、
「だなっ!で、例の件だけどわかった?」
俺は
「ムラマツか?昨日の今日だぞ!
        わかるわけ、ねぇだろ!?」

「冗談だよ!てか、こっち側(サイド)は、
テマエたちが今日も話を聞いて回ってるよ。
アイツらなら・・そうだな・・・。
早ければ今日でもわかるんじゃない?」
「おばちゃん、唐揚げ」

「やっぱ、さすがだな。お前らのその行動力と
情報収集力。もっと別の事に使えば時代は変わる
かも知れないぜ。てか、唐揚げ好きだよな?」

「はぁ?何言ってんだ?
まぁ〜とりま、今日もルートにこいよ」
と言って唐揚げ定食を買っていった。

俺が昼飯のメニューとルートに行く事を
悩んでいると
「ユウ!?ユウちゃ〜ん」
と食堂の入口から俺を呼ぶ声がした。

ヤマデラだった。

ヤマデラは俺たちの方へ来た。
俺は
「おう!デラ」

「ところで、1年慣れた?
       たまには、俺とも遊んでくれよ」
「おばちゃん、俺
    【はいからうどん】はいから無しで!」
それを聞いた俺は
「デラっそれ、素うどんなっ!」
と、ツッコミをいれた。

「いいね!ナイスツッコミじゃんっ!
で、ユウちゃん何食うの?」
とヤマデラが笑いながら返してきた。

俺は、少しヤマデラに聞きたい事もあったので
「デラ、一緒にどう?あっ、唐揚げで」
どうやらゴウにつられたようだ。
そしてデラを昼飯に誘った。
ヤマデラは
「あら、ゴウちゃん!いたの?」
ゴウは
「はぁ?」

「ゴウちゃんも一緒にどう?」

「俺はいいわ!じゃ〜なユウ!またな」
と断った。

「あっそっ、それは残念・・」
「てか、何?溜まってる?」

「さぁ?」

「でもユウちゃんが誘うって珍しいねっ」
と、言ってテーブルに座り飯を食べた。


そして、俺はヤマデラに昨日の事を話した。

「嘘っ!?そんな事なってんの?
てか、俺たちTEAMJOはそんなくだらない事
しないって。まさか・・ユウちゃん、
間に受けてるんじゃないだろうね?」

「俺は別に・・」

「あっ、もしかして・・・?
それでゴウちゃん、さっき冷たかったとか?」
俺は返した。
「だよな。俺とゴウもそんな事は無いだろうと
話してたんだ。でも、ひとつゴウから頼まれた事があって・・」

「頼み事?なんか面倒くさそう」

「やっぱ、そう思うよな?」

「で、頼みって?」

「ムラマツの事、調べて欲しいって」

するとヤマデラは、
「そのムラマツって、
    まさか、あのムラマツじゃないよね?」

やはり驚いた。

「まぁ〜今回の件とムラマツが関係あるか?
無いか?と言うと、俺は正直無って思う。
俺の感じだと、ゴウはムラマツに関しては
違う意味で知りたいんじゃないか?と俺は
思ってる。どちらにせよ、ゴウ、
いや、ディズニーはその策にのるらしいよ」
それを聞いたヤマデラは
「わかった。じゃ〜俺からミナミに話しておくよ。
でも、ディズニーがふざけた事した時は俺も
ミナミも黙っちゃいないからね。
それだけは、あのクソ後輩に言っといてよ」

「ミナミに話してくれる?それ助かるわ」


ヤマデラとの話が落ち着いた頃
「会長っ」
俺を呼ぶ声がした。

そう副会長だ。

「どうした?」

ヤマデラは俺の方を見て小指をたてる。

副会長は
「さっきモトキタ先生が昨日の事で話たいって。
何度も電話したのにっ!全然つながらないから」

スマホをみると着信があった。
「わりぃ、全く気付かなかった」

「それはそうとこの人が昨日言ってた3年のデラ」
と紹介した。

副会長は、
「あっ、どうも。よろしくお願いします」

「よろしくねぇ〜」

「てか、今年の1年可愛い子多いじゃん。
大事にしてあげなきゃダメだよっ」
と言ってきた。

この感じの絡みにも俺はだいぶ慣れてきたよ。

「じゃ〜デラ、ミナミちゃんに頼むよ」

「おけっ」

「じゃ〜モトキタんとこでも行くかっ」
俺は副会長と一緒に食堂を出た。


食堂から職員室へ向かう俺たち
「ねぇ?さっきの人が昨日言ってた3人目の
ダブりの人?」

「だな」

「想像してたのと全然違った。
      もっと怖い人を想像してたから」

それもそうさ
ヤマデラは、どちらかと言うとチャラい系だ。
副会長は、先にゴウを見てるからな。
その後に見ると尚更見た目はマシだろうな。

「てか、ゴウを見た後じゃ、デラは年上って
感じしないしなっ」

そんな話をしていると職員室に着いた。

俺は昨日の事をモトキタに話す前に
ひとつ言いたい事があった。

俺は職員室の扉を開けた。

「あっ、コニシくんっ」

俺はモトキタの顔を見るなり
「お前、知ってたろ!?」

他のセンコーらもその声に驚いた。
「ちょ、ちょっと急にコニシっ、どうした!?」

モトキタは突然の事でビックリしている。
「何を?昨日何かあった?」
「あと、お前じゃない!セ・ン・セ・イ」

何のことか理解できていない反応だったが、
【お前】のところだけは指摘した。

俺は
「何かあった?って本当、知らないのか?」
と聞くがモトキタにリアクションは無い。

「お前、エトウとまだ会った事ないのか?」

何も知らない様子のモトキタに俺と副会長は
エトウが引きこもりだった事を話した。

「えっ!?そうなの!?ゴメンね。
先生もそれは知らなかったわ。
体の調子が良くないからって、いつもお母さんと話していたし・・」

「先生、エトウくんに会った事ないの?」
と副会長はモトキタに聞いた。

「そうなの。いつもお母さんが玄関先で対応してくれるから・・・。体調悪いって聞いてたから、
無理に会わしてもらうのも・・ねぇ?
でも、まさか引きこもってたとは・・・」

「コニシくん、ナカタさん、ありがとうね。
ここからは私が動かないといけないわ」
と言った。

俺は、
「動くもなんも、アイツはそう簡単には
動かないと思うぜ。
とにかく今、エトウと同じ地元の奴に頼んで
色々調べてもらっている。
そこで少しでも引きこもった理由がわかれば
いいんだけどな。
ま〜大した事じゃないといいんだけど、
昨日の感じで、直感的に何かワケアリな
気がしたから。だから俺なりにエトウについて
調べようと思う」
モトキタは
「で、どうするの?」

「この件もう少し俺に預けてくれないか?」
「てか、お前、親は大丈夫なのか?」

モトキタは笑顔で
「ありがとう。まぁ元気は元気なんだけど、
やっぱり歳だからね」
俺は
「だったら、もう少しだけ俺に任せてくれ」

それを聞いたモトキタは
「わかった!とりあえず任せた。
でも何かあったら無茶はしないで報告する事。
あと、先生も一度ご両親に連絡取ってみる」

俺は、
「じゃ〜当分は俺がアイツの家に行くから。
なんか、アイツとも話してみたいし」

俺と副会長は職員室を出ようとした。
モトキタは
「コニシくん、あとお前じゃなくて・・・」

「はい、はい、セ・ン・セ・イだろ!?」


【1限目Hにつづく】

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