ダブり〜1限目〜G

次の日、学校へ向かう途中に
「会長、おはよう」
「昨日はどうだった?メール待ってたのにっ」
と副会長が声をかけてきた。
俺は、昨日のルートでの話をした。

「ホント!?じゃーエトウくんの事
           何かわかりそうだね?」
と副会長が言った。

そんな話をしながら学校へ行った。

いつの間にか会長と呼ばれるのにも何とも
思わなくなっていた。

学校と言うのは、不思議なもんで毎日行くと
それなりに楽しいもんだ。
ただ、授業だけは何度うけても退屈だ。
でも、さすがに3回目ともなるとわかってる
自分がいた。


昼休み、食堂で並んでいると、ゴウ達がきた。
「おう!」
「昨日は久しぶりに話せてよかったよ」
って俺は言った。
するとゴウは、
「だなっ」
「それと昨日の件だけど、
   今テマエたちが話を聞いて回ってるよ」
「早ければ今日にでもわかるんじゃないか?」
「だから、今日もルートにこいよ」
と言って唐揚げ定食を買っていった。

「ユウ、ユウちゃん」
 
と俺を呼ぶ。

振り向くとヤマデラだった。
「1年生には慣れたか?
       たまには、俺とも遊んでくれよ」
「あっ、おばちゃん、
     はいからうどんのはいから無しで!」
俺は
「それ、素うどん」
と、ツッコミをいれた。
「ナイスっ!」
とヤマデラが笑いながら返してきた。

俺は、少し聞きたい事もあったので
「デラ、一緒に飯でもどう?」
と誘った。
ヤマデラは
「ゴウちゃんもどう?」
と聞くと
「俺はいいわ」
と断った。
「あっそっ、それは残念」
「でもユウちゃんが誘うって珍しい」
「もち、オッケーよ」

と、言ってテーブルに座り飯を食べた。
そして、俺は昨日の事を話した。

「はぁ??俺たちチームジョーが
         そんなくだらない事しない」
「ユウちゃん、まさか間に受けてるんじゃ
              ないだろうな?」
「もしかして、それでゴウちゃん
           俺に冷たかったとか?」
俺は返した。
「だよな」
「俺たちもそんな事は無いと話してたんだ」
「でも、ひとつゴウから頼まれた事があって」

「ムラマツを調べて欲しいと」

するとヤマデラは、
「ムラマツってあのムラマツか?」
やはり驚いた。

「だから、ゴウは、その策にのるらしい」
「その事をデラとミナミちゃんに話した
              かったんだ。」
と俺は言った。

すると
「わかった。俺からミナミに話しておくよ」
「でも、ディズニーがおかしな事した時は
        俺たちも黙っちゃいないから」
「それは、あのクソ後輩に言っておけよ」
と言った顔に笑いはなかった。

「会長。」
また来た。そう副会長だ。

「どうした?」

ヤマデラが小指をたてる。

「昨日の事でモトキタ先生が話たいって」
「電話したのに全然つながらないから」

スマホをみると着信があった。
「わりぃ、気付かなかった」
「この人が昨日言ってた3年のヤマデラ」
と紹介した。

副会長は、
「よろしくお願いします」と

「ユウちゃん、可愛い子じゃん。大事にしなよ」
と言ってきた。
この感じに返事するのも面倒なので流した。
「じゃーデラ、申し訳ないが頼むよ」
と言って俺は副会長と一緒に食堂を出た。

「あの人が昨日言ってた3人目のダブりの人?」
「想像してたのと全然違った」
それもそうさ
ヤマデラは、どちらかと言うとチャラい系だ
それとゴウの後に見るとイカツさも落ちるしな。
「そうだな。デラは年上って感じしないしな」

職員室の扉を開ける。
俺は昨日の事をモトキタに話す前にひとつ
言いたい事があった。
「お前、知ってたろ?」
モトキタは
「何を?なにかあった?」
「あと、お前じゃない!センセイ」
何のことか理解できていない反応だった。

知らないのか?
エトウとは会った事がないのか?

俺はエトウが引きこもりだった事を話した。

「えっ、そうだったの?
        先生もそれは知らなかったわ」
「体の調子が良くないから、学校を休んでいる」
「っていつもお母さんと話していたし」
「で、どうするの?」
「いや、ここからは私が動かないといけないわ」
と言った。
俺は、
「とにかく、今エトウと同じ地元の奴に、
            調べてもらっている」
「そこでひきこもった原因がわかれば
               いいんだけど」
「まー大した事じゃないと思うんだが、
   直感的に何かがありそうな気がしたから」
「だから今回はエトウについて調べようと思う」
「この件もう少し俺に預けてくれないか?」
「てか、親は大丈夫なのか?」

モトキタは笑顔で
「ありがとう。大丈夫だよ」
「わかった、とりあえず任せた」
「でも何かあったら無茶はしないで報告する事」
俺は、
「じゃー当分は俺がアイツの家に行くから」
「アイツとも話してみたいし」
              
              1限目Hにつづく





























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