
羽二重餅が出てくる物語③
◯第3章〜異世界はいい世界〜◯
どれくらいになるだろ?
私は異世界への転生者だ。
前にいた世界がリアルなのか?
この世界がリアルなのか?
正直わからなくなっている。
私の名前はシロ
だがしかし、この世界ではクロと呼ばれている。
「おーいっ、クロ
何をぼーとしてるだ?」
「すみません。ちょっと考え事してまして」
「考え事してる場合じゃないよ!
締切まで時間がないんだから」
「はー時間がないな」
「櫻子先生、やっぱり今週休載しましょうよ?」
「ねー?クロもそう思うでしょ?」
それを聞いた櫻子先生は
「鈴之助、頑張りましょ!」
「私たちの漫画を楽しみにしてる人たちの為に」
「クロ、これお願いね」
「はい」
どうやら異世界で私は漫画家のアシスタントに
転生していたようで、櫻子先生のもとでペンを
動かしている。
「櫻子先生、これ終わったら休み下さいね」
と、三日三晩寝ずにもう限界手前のもう1人の
アシスタントが鈴之助だ。
「今回仕上げれば、当分時間空くから
ゆっくり休みましょ」
「だから、鈴之助、クロ
頑張ろね!」
「できた!!」
櫻子先生は
「2人とも、お疲れ様!
あとは私がやっておくから帰りなさい」
ZZZ
鈴之助はすでに机の上で眠っていた。
「櫻子先生?」
「なに?クロ」
「今回の作品も凄くいいです
あそこで主人公が・・」
「凄いです」
そんなクロの熱弁を聞いた櫻子先生は
「ちょっと、落ち着いて」
「クロありがとうね」
「いえ、私なんて何にも」
「そんな事ないわ、クロに鈴之助
2人のおかげでここまで来れたのよ」
「だからこれからもお願いね」
「はいっ」
私はこの世界が好きだ。
前の世界ではここまで充実を感じる事が
少なかったから。
そんな私に、転機が訪れた。
「クロ、ちょっといい?」
櫻子先生が私を呼んだ。
「どうかしましたか?」
と聞くと
「クロ、あなたが描いた漫画が
コンテストで大賞を獲ったわ」
「ええっ!?」
驚いた。
「おめでとう」
鈴之助も
「クロ、凄いじゃないか?おめでとう!」
私は
「ありがとうございます」
「でも、どうして?
私、そんな賞に応募してないのに」
へへへ
鈴之助が笑い
「櫻子先生、話していいんじゃない?」
「そうね!」
私は2人を見て
「どう言う事ですか?」
すると櫻子先生が
「クロ、ごめんね。実はクロがオリジナルの
漫画を描いてたのたまたま見たの」
「えっ!?」
「・・・あっ、鈴之助ね」
どうやら鈴之助がクロのPCを勝手に開き
櫻子先生に見せたようだ。
「わりぃ、でもあまりにも面白いから」
「櫻子先生に見せたんだ」
「もったいないじゃないか?せっかく描いたのに
誰にも見せないって」
櫻子先生は
「クロ、勝手に見た事はゴメンね」
「でも、ほんと面白い作品だったわ!
だから、クロに自信持って欲しくて賞に出したの
やっぱり!私の目に狂いはなかったわ」
鈴之助は
「やっぱり、クロは凄いや」
「櫻子先生、鈴之助、ありがとう」
私は嬉しかった。
「クロ、何泣いてるの?これから忙しくなるよ」
「えっ?」
櫻子先生は
「当然じゃない!来月から連載よ
だって大賞なんだから」
私は
「でも・・」
櫻子先生は
「鈴之助、アレを」
と言うと鈴之助は隣の部屋へ行き何かを取りに
行った。
「これ、俺と櫻子先生から」
渡されたのは何かの鍵だった。
受け取った私は
「これは?」
と聞くと、櫻子先生は
「あなたの新しいアトリエよ」
「お・祝・い」
「櫻子先生、鈴之助、ありがとう」
「え〜んっ」
鈴之助は笑っていた。
櫻子先生が
「クロ」
「これから、【羽ばたきなさい】」
私はその言葉に
「はいっ」って返事をした。
それを聞いた櫻子先生は
「よしっ!」
「じゃーちょっとお茶飲んで描きましょうか!」
「私も負けてられないわ、鈴之助もよ」
鈴之助は
「そうだね」
「鈴之助、羽二重餅あったでしょ?
みんなで食べましょ」
私はクロ、どうやら異世界へ転生してしまった。
この世界で私は漫画家のようだ。
おわり
あとがき
何故異世界かと言うと転スラがパチンコになる
ようだ。
スロットでは、有難い事に勝たせてもらった。
そんな事は今はいい。
今日、スタエフを開くと羽二重餅も生みの親が
スタエフをやめるようだ。
過去に2部作
ならここでもう1作。
彼女とはSNSで繋がった。
その関係性からSNSをリアルとして、現実を
異世界に置き換えた。
いつかまた、羽二重餅が帰ってくる日を
みんな待ってると思う。
最後にマジで一緒に漫画作りませんか?
この声が異世界へ届くように。
おやつちんみのユウのほう