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#短編小説
リブレット〜最終話〜
彼女は病気だった。
誕生日イベントを最後に入院しているらしい。
俺は病院へ行った。
そこには、
仕事モードの彼女からは想像できないくらい
痩せ細り、髪は副作用で抜けた彼女が生死を
彷徨っていた。
俺は、その場に居るのが息苦しくなり机の上に
あった冊子を無意識に震える手で持って病院の
外へ出た。
そしてその冊子を開いた瞬間。
全身に鳥肌が立ち胸が今まで感じた事がない
くらいに締め付けられた
リブレット〜エピローグ〜
彼女の30回目の誕生日。
彼女の育った町に電車は着いた。
海があり山があり彼女にお似合いの町だ。
駅からタクシーで少し走った所に
彼女は眠っている。
桶に水を入れ、柄杓を持ち、歩いて行く。
すぐに目に付いた。
色とりどりのお花が彼女を飾っていた。
写真のドレスのように。
本当に彼女は賑やかだ。
俺は、地味だけどお似合いの花と
あの日のリブレットを置いて手を合わせた。
そして、