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技では女心を捉えられない


 「カノン三部作」を読みました。最後の「エトロフの恋」は表紙の色の如く、副旋律と感じました。

 主旋律の「彗星の住人」と「美しい魂」は、いい。何故いいか?不釣合いの恋に悩む主人公が、命がけでカウンターテノールを会得する。しかし、憧れの不二子さんはお駄賃程度。彼女の本意か家の事情なのか?いずれ、駆け落ちなどの破天荒な行動には至らない。
 周りからの操作や作為に惑わされる筈もないしかっりと彼女は、なぜ彼を選ばなかったのか。また、彼の努力の結果として彼女のゲットを出来なかったのか?
 残念な感想だが、どんなに魅力の魅力あるカウンターテノール歌手であっても、『幼き日の主人公の純粋さを感じることが出来なかったからに他ならない』と思いました。技では、女心を捉えることは不可能なのでしょう。
(Amazon書評に加筆)

かわせみ💎

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