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カマキリに祈る
真昼、庭のめだか鉢に日除けのすだれを掛けに行くと、咲いたばかりの百合の上に、若いハラビロカマキリがとまっていた。浅緑色のカマキリはきゅっと鎌を閉じて腹を高く上げ、照りつける夏の日差しに抗っているかのよう。百合の白い花びらにカマキリの影がくっきりと落ちて、それがまた別の生き物のようにも見えてくる。
炎天の中の緑と白と黒。自然が見せてくれる豊かな色の調和。
でもあまりに強い日差しは、カメラのレンズを通すと黒く沈んでしまう。
夏の初めには庭のあちらこちらで見かけた、幼いカマキリたち。長すぎた梅雨を乗り越えて、今、生き残っているのはどれくらいの数だろう。
この若いカマキリが無事に大きくなれますように、と祈りつつシャッターを切った。
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