flow Essence 美年~mitoshi~

和歌山在住。「ハルメク365」等で記事を書いています。短歌や俳句、自然や神社仏閣が大好きです。noteでは日々思うこと、旅の記録をフォトエッセイとして綴っています。 **https://www.instagram.com/028mikoto/

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マガジン

  • 本日、和歌山日和

    和歌山ならではの神社仏閣、イベントなどをまとめています。神話や歴史背景など、豆知識を書き添えていることも…。地元目線を楽しんでいただければ嬉しいです。

  • フォトエッセイ

    何気ない日常の中で、ふと気になってしまうモノ・コト。季節の写真を添えて、短い言葉にまとめたエッセイ集です。

  • 本日、京都日和

    息子たちが京都で二人暮らしをしていたため、そのご縁で京都へは足繁く通うことに。地元住民でもなく観光客でもない目線での京都旅です。

  • 本日、仕事日和

    ライターのお仕事として書いた記事のご紹介です。記事の背景なども記しています。 まだ過去記事は上げていないのですが、追って加えてゆきます。

  • 本日、奈良日和

    奈良の神社仏閣をまとめています。西国三十三所巡りで奈良を訪ねる機会が多くなると思いますので、少しずつ充実させてゆくつもりです。

最近の記事

縄文時代を楽しむ 中飯降(なかいぶり)遺跡【和歌山・かつらぎ町】

2024年6月29日、紀州かつらぎ熱中小学校ライター部のみなさんと一緒に、かつらぎ町にある「中飯降(なかいぶり)遺跡」を訪ねました。 「中飯降遺跡」は縄文時代の竪穴大型建物跡で、径は約15m~18m、高さ約12mもの建物が4棟あったと推定されています。 2008年、京奈和自動車道を建設する際の発掘調査で見つかったこれらの遺跡は西日本最大級で、当時は大きなニュースとなり、全国から約700人の人が見学に訪れたそうです。 ありがたいことに今回の取材では、発掘に携わったかつらぎ

    • 世界遺産「高野参詣道 三谷坂」を歩いて③【和歌山】

      三谷坂を登り切り、無事、天野の里に到着。花盛祭の渡御行列を見るために、私たちは世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社まで歩きました。 丹生都比売神社 花盛祭 丹生都比売神社の鳥居をくぐると、境内には参道の両側に色とりどりの花が飾られており、とても華やかな雰囲気でした。 ほどなく始まった渡御行列は、天狗の姿をした道開きの神・猿田彦さまが先頭です。 猿田彦さまに続いて、笛を吹く人、弓や刀を携える人、獅子頭を持つ人、お神輿を引く子どもたち……時代衣装をまとった行列が粛々と進ん

      • 世界遺産「高野参詣道 三谷坂」を歩いて②

        丹生酒殿神社から丹生都比売神社へと続く、世界遺産・三谷坂。ここからはうっそうと杉の立ち並ぶ山の中へと入ってゆきます。 涙岩・拝水(おがみみず) 杉木立の中を歩いてゆくと、ほどなく現れるのが大きな平たい涙岩です。 かつてはどんな日照りの時でも水が枯れることがなく下流の村々を潤したことから、この名が付いたそうです。 この日は残念ながら、水の滴りを見ることはできず……。自然豊かに見える地でも、さまざまな変化が起きているのかもしれません。 こちらは水田跡地の石積みです。標高の高

        • 世界遺産「高野参詣道 三谷坂」を歩いて①【和歌山】

          世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして登録されている、高野参詣道 三谷坂。かつらぎ町三谷の丹生酒殿(にうさかどの)神社と、高野山の守護神・天野の丹生都比売(にうつひめ)神社を結ぶ、約5.5㎞の急登です。 古い時代、丹生都比売神社の鎮座する天野は聖地とされ、人の住むことが許されない地でした。神職はふもとの三谷に家を構え、そこから毎日、天野まで山の中を歩いて通っていたとのこと。その道筋が三谷坂なのだと伝えられています。 そんな歴史ある三谷坂を2024年4月半ば、紀州

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        記事

          如月の京都めぐり【大原 出世稲荷神社・三千院】

          2月18日・19日、久々に京都の寺社を巡ってきました。 1日目は大原へ。数年前に訪ねた時は三千院の近くまで自家用車で行ったのですが、今回は京都バスを利用し、「戸寺」で降りて畑の間をてくてく歩いてゆきました。 大原観光保勝会が発行している「大原の里歩きマップ」の「風の道」をたどるコースです。 この日の天気予報は雨。でも降ってはおらず、空一面に重い雲が広がる中、切れ間からひとひらの青空がいつも頭上に覗いている、そんな不思議なお天気でした。 大原の里の道々には斜面に積み上げられ

          如月の京都めぐり【大原 出世稲荷神社・三千院】

          厄除け祈祷 ~丹生都比売神社へ~【和歌山】

          今年は前厄なので、年が明けてから早いうちに厄除けのご祈祷をお願いしたいと思っていました。 地元の氏神様や、毎月一日にお参りしている和歌浦の玉津島神社さんなど、信用してお任せしたいところはいくつかあるのですが、なぜか、 「厄除けは丹生都比売(にうつひめ)神社でご祈祷を受けたい」 しっかりとそんな気持ちになったのです。 丹生都比売神社はかつらぎ町天野に鎮座する、高野山の守護神。弘法大師空海が密教を開く場を探していた際、高野山へ導く助けをしたとされる女神・丹生都比売さまがおまつり

          厄除け祈祷 ~丹生都比売神社へ~【和歌山】

          あけましておめでとうございます

          新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 昨年は「紀州かつらぎ熱中小学校ライター部」にて、 みんなで文章を書く、 みんなで取材に行く、 そんな経験をさせていただきました。 ひとりでは見えなかった景色を見て、 ひとりでは気付かなかったことに気付き、 たくさんの学びをいただけた一年でした。 今年は「種まき」を始めたいな、と……。 成果を期待したり、失望したり、ではなく、 楽しいと思えることを、こつこつ、 自分のできる範囲で、種をまいてゆきたいと

          あけましておめでとうございます

          南紀熊野 奇岩巡り⑥ 「神倉神社」

          「那智駅」の次に向かったのは、新宮市の「神倉神社」。 「熊野速玉大社」の境外社で、源頼朝が寄進したと伝わる、500段を越える石段を上った先にある巨石「ゴトビキ岩」がご神体です。 ここからは縄文時代の祭祀跡が見つかっており、パワースポットとしても知られています。 私は三度目の参拝になるのですが、やはり石段はかなり手ごわく、ことに上り始めの傾斜の厳しさと、踏み石のばらばらな角度には難儀しました。 ひどい巻き爪に悩まされている次男は途中で断念し、一人で「熊野速玉大社」の方へ。何事

          南紀熊野 奇岩巡り⑥ 「神倉神社」

          南紀熊野 奇岩巡り⑤ 「那智駅」

          少し間が空いてしまいましたが……南紀熊野への旅の続きに戻りますね。 しばし時間を戻して、晩秋の陽光を楽しんでいただけると幸いです。 「那智大社」と「青岸渡寺」へ参拝した後は、那智勝浦町にある「湯快リゾートプレミアム越之湯」に宿泊。 昭和を感じさせる少し古いお宿でしたが、ベランダの下はすぐ海となっており、魚が泳いでいるのが見えました。遠くの島を望んでの眺めも良く、開放感を満喫できる部屋でした。 そして翌日、私たちが朝一番に向かったのはJR「那智駅」です。 3年前の冬至の日

          南紀熊野 奇岩巡り⑤ 「那智駅」

          京都でゆったり紅葉旅 ~光明寺・善峯寺~

          「この秋は京都で紅葉を楽しみたいな」 そうは思ったものの、今年の京都には多くの観光客が押し寄せそうで、ちょっとためらいが。 そこで、京都の中心部から少し離れた長岡京市の光明寺と、京都市西京区の善峯寺(よしみねでら)を11月下旬、訪ねてみることにしました。 光明寺へまず訪ねたのは光明寺です。京都市左京区在住の長男のところに前泊をして、そこから車で約40分程度で到着。 平日の午前10時ごろ、参拝者はまだ少なくて、見事な紅葉の表参道をゆっくり歩くことができました。お天気にも恵ま

          京都でゆったり紅葉旅 ~光明寺・善峯寺~

          中之島美術館「長沢芦雪展」【大阪】

          南紀奇岩の旅の途中なのですが、11月22日に訪ねた大阪の中之島美術館での「長沢芦雪展」を挟ませてくださいね。 中之島の秋景中之島美術館は地下鉄「淀屋橋駅」を出て、土佐堀川に沿って15分ほど歩いたところにあります。その秋の風景がとても心和むもので……。 紅葉や黄葉の並木と冬薔薇の彩り、ベンチでくつろいでいる人や、のんびり歩いている鳩や雀。 高層ビルの窓ガラスにゆうゆうと空をゆく川鵜が映ったりもして、水のほとりの時間はゆっくりと流れているよう。私の歩調もつい緩やかになってしまい

          中之島美術館「長沢芦雪展」【大阪】

          南紀熊野 奇岩巡り④「熊野那智大社」・「青岸渡寺」

          「那智の滝」を堪能した後、私たちは徒歩で「熊野那智大社」と「青岸渡寺」へ向かいました。 どちらも地図上では「那智の滝」のすぐ近くなのですが……長い階段が折れ曲がりつつずっと続き、上っても上ってもたどり着かない……。 果てがないのかと思うほど上った先に、やっと「熊野那智大社」の鳥居が見えてきました。 「熊野那智大社」 鳥居の上には小さな馬の雲が。「お疲れさま」と言ってくれているようで嬉しかったです。 「熊野那智大社」の主祭神は熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。「ふ

          南紀熊野 奇岩巡り④「熊野那智大社」・「青岸渡寺」

          南紀熊野 奇岩巡り③ 「那智の滝」

          古座川町の山中にある「瀧の拝」から、今度は那智勝浦町の「那智の滝」へ。車で約1時間の移動です。 この日は本当に不安定なお天気で、またまた途中で雨が降り始めたのですが、幸運なことに那智山へ着いた時にはすっかりやんで、青空が広がりました。 「那智の滝」も訪ねるのは三度目。でも何度来ても、空の果てから激しく水の落ちるさまには見入ってしまいます。 ちなみに滝の高さは133m、毎秒1トンもの水が流れ落ちているそうです。 ここは「飛瀧(ひろう)神社」という神社でもあるのですが、社殿は

          南紀熊野 奇岩巡り③ 「那智の滝」

          南紀熊野 奇岩巡り② 「瀧の拝」

          「一枚岩」を後にして、次に向かったのは「瀧の拝(たきのはい)」。 移動時間は車でほんの20分ほどなのですが、途中、いきなり大粒の雨が降ってきました。雨脚は次第に強くなり、道が真っ白になって見えなくなるくらい。 ありがたいことに「瀧の拝」の駐車場に着いた時には小やみとなり、雲の間から陽が差してきました。 次第に青空が広がりつつ、まだ大粒の雨がパラパラと落ちてくるという不思議なお天気の中、「瀧の拝」へと歩いて向かいました。 「瀧の拝」は私の大好きな場所で、訪ねるのは三度目。

          南紀熊野 奇岩巡り② 「瀧の拝」

          南紀熊野 奇岩巡り① 「一枚岩」

          10月下旬、家族で南紀熊野の奇岩を巡る旅をしました。 「南紀ジオパーク」としてユネスコにも認定されている一帯です。 最初に訪れたのは古座川町の「一枚岩」。 文字通り、板のような大岩が空に向かってそびえています。 高さは100m、幅はなんと500mもあり、日本の地質百選に選ばれた「古座川弧状岩脈」の一部だそうです。 体をそらすようにして見上げていると、なぜか大気が小刻みに震えているような感じ……。 2022年にはこの岩をスクリーンにして「大地を見上げる映画祭」がおこなわれたそ

          南紀熊野 奇岩巡り① 「一枚岩」

          翅脈

          朝の陽に透ける、立ち枯れた紫陽花。痩せた翅脈にも見えるそれは、うっとりと目を細める生き物のよう。 でも、そんなふうに思う時、きまって私の中では、 「これは紫陽花だよね。生き物なんておかしいよ」 と、常識的な声が響いてくる。 長く生きていると、それまでの経験が学びになることが多い分、感性が既存の枠にガッチリと嵌められてしまい、そこから外れることをためらう気持ちが大きくなる。 ただこのごろは、敢えて逆らってみよう、自分の中から生まれる声に素直にしたがってみよう、と。 痩せた