紅葉冴ゆる丹生都比売神社【和歌山】
11月12日、再び「丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)」を訪ねました。前回、夏の参拝では境内の緑がつやつやと美しかったのですが……今回は鮮やかな紅葉に。輪橋のまわりがことにあでやかでした。
まだ色が移りゆくさなかの紅葉は、緑から橙色、そして深い朱色へとグラデーションに。
丹色の楼門にも、朱の紅葉が映えていました。
この日は格別の青空。秋の光に照る紅葉に、
「なんて神々しい……。いつまでも見ていたい風景ですね」
「本当に、動けなくなりますね~」
たまたま並んでカメラを向けていた女性と、楼門を見上げ立ち尽くしてしまいました。
丹生都比売神社は高野山と深いつながりがあり、境内には神仏習合の跡があちらこちらに見られます。梵字で書かれた「光明真言曼荼羅碑」の周辺も、秋の色をまとっていました。
今回、初めて訪ねたのが境内を出て5分ほどのところにある「奥之沢明神 」です。道脇の案内札に沿って細い道を進んでゆくと……
木々の底に沈むように小さな祠が……。光は遮られ、あたりはしん、と静寂に包まれています。脇を流れる小川の音と鳴き交わす鳥の声だけが、通奏低音となっていました。
枝の間から日の光が祠に差し込むと、温かく灯っているような……。
心の中のざらざらした部分がゆっくりなめらかになってゆく、そんな空気感に満ちた場です。
天野の地に初めて「丹生(にう)明神」が降り立った地をお祀りしているのだと、案内の表示板には書かれていました。
再び、丹生都比売神社に戻ってくると、秋晴れの明るい風景です。
晴天の日の紅葉の艶は格別ですね。
照り映えた紅葉に神々しい楼門、「奥之沢明神」の癒される静寂、と、とても良い秋の参拝ができたのですが、帰り際におみくじを引くと……なんと生まれて初めての「凶」!ただ、正しく時を待てば好転する、という希望を持てる内容なので、それが少々の救いとなりました。とりあえず今まで通り、地道にこつこつ頑張ります……。
夏に参拝した時の、緑豊かな「丹生都比売神社」です。神社のいわれや、偶然、伺うことができた宮司さんからのお話を書いています。よろしければ、読んでくださいね。