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夏の終わりには小さな生き物の亡骸を目にすることが多い。
先日も庭の鬼門さんの草取りをしていると、蛇苺の葉陰に、朽ちかけたアオスジアゲハの翅を見つけた。からだはすでになく、端がぼろぼろと崩れた翅が2枚、あちらとこちらに落ちている。
黒も碧も艶をなくして色褪せてはいるけれど、それがまるで鉱物の乾いた色のようで、生きている時とは違う無機的な美しさを保っていた。
虫や花は大きな自然の一部。だから魂は長く体に留まらず、軽やかに転生を繰り返す、という。
このアオスジアゲハに居た魂は、今は何に姿を変えているのだろう。
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