「くるっと回って着地する」231107摂取コンテンツ日記
佐藤究『テスカトリポカ』KADOKAWA
とても面白い本だった。タイトルになっている「テスカトリポカ」という神様は本書の中で何度も登場するけれど、それを語っているのはいつだって人間で、一貫して人間の話だったように思う。その名前を簡単に口にしてはいけない、その姿を安易に描いてはいけない、目に見えず・触れられない、そんな神様に対する信仰が存続するのは神様が本当に「いる」からではなく、そう信じる人間がおり、その人間が連綿と信仰を繋ぎ続ける努力をするからである。そんな信仰が牙を見