
Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル 5 イスの座り方 その4
【育て方 理論編】
当たり前ですが、イスに座るためにイスの座り方を練習しても意味がありません。イスに座るためには、身体と対人関係が順調に発達している必要があります。
その【育て方】を、エアーズの感覚統合理論(以後、感覚統合)を元に書いていきます。
感覚統合は、理学療法士や作業療法士の基礎になっている方法です。詳しくは、文末に紹介する本を【参考】にしてください。
赤ちゃんは、生まれたときから8つのことを統合するように発達ていきます。8つとは、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の5感と、「前庭覚」(平行感覚、重力や加速度に関する感覚)と「固有覚」(筋肉を使うときに関節の曲げ伸ばしによって生じる感覚)2つと「対人関係」のことです。
感覚の7つが統合されて、身体が自由に使えるようになった目安は、2つあります。「自転車に乗れる」と「なわとびが、できる」の2つです。手指まで自由に使えるようになった目安は「泥団子が作れる」です。そして、対人面まで統合されると情緒が安定し、感覚統合が完成します。その目安は、「本を読んで、理解することができる」です。
平均タイプの子どもは、子どもから出てくる要求に答えて、親が普通に遊んでいると自転車や「なわとび」はできるようになります。泥団子も、いつの間にか作っています。
しかし、凸凹タイプの子どもは、感覚がうまく統合されません。感覚そのものに凸凹(見るのが得意、聞くのが得意、触覚過敏など)があったり、やりたいことに「好き・嫌い」やこだわりがあるからです。結果として、自転車を怖がったり「なわとび」が「なわ跨ぎ」になったりします。
では、「凸凹タイプの子どもを、イスに座れるように育てていくにはどうしたらいいのか」。その5に書きます。
【参考】感覚統合の勉強には、次の本が最適です。
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