Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル 1 家庭での学習準備 その8
3️⃣ 筆記用具の準備ができる 【育て方】
発達に凸凹があるタイプの子どもは、えんぴつを削ってこないことが多いです。理由は3つあります。
1.えんぴつを削る方法知らない。
・・・親が教えていないか、親が削って上げていた。
2.できるが、面倒くさいからやらない。
3.単に忘れている。
だから、6歳までに、次の3つのことを育てておく必要があります。
1.えんぴつを削れるようにする。
2.書くのをおしまいにしたら、えんぴつを削る習慣にする。
3.削るを忘れたときに、どうするのかを教える。
1.えんぴつを削れるようにする。
鉛筆削りには、手動式と電動式があります。学校の教室にある鉛筆削りは、ほとんど手動式です。だから、家でも手動式を使って練習しておいた方がいいでしょう。
削る練習だけしないで、モチベーションが高いときに教えましょう。つまり、これからえんぴつでお絵描きしたいときなどに教えるのです。基本は「覚えて」を使うといいでしょう。すぐにできなくても構いません。小学校に入るまでにできればいいのです。
手動のえんぴつ削りの教え方を書いておきます。
(ア)つまみをしっかり挟んで、穴に鉛筆を最後まで押し込む
(イ)鉛筆削りしっかり上から押さえ、ハンドルは軽くなるまで回す
(ウ)つまみをしっかり挟んで、まっすぐ引き抜く
(エ)あまりにも短いえんぴつは削れない
(オ)色鉛筆は、芯が折れやすいのやめておく
(カ)ゴミが溜まったら、捨てる方法も教える
2.おしまいにするときに、えんぴつを削る習慣にする。
「えんぴつを使い終わったら、削ってからなおすのが家のルール」ですと教えましょう。「覚えて」を使って何度も復唱させてから、お絵かきのあとなど、必ず削ってから「えんぴつ立て」に入れるようにするといいでしょう。
小学校にあがるころには習慣になっていて、帰ったら宿題が終わったときにえんぴつを削る子どもになっています。
3.削るを忘れたときにどうするのかを教える。
これは、まだうまく削れないときに、頼む方法、つまり「すみません」の【セリフ】を教えておくといいでしょう。小学校になったときに、先生にえんぴつ削りを貸してもらうスキルに繋がります。
【セリフ】お母さんと子どもの「やりとり」を使っています。
母「どうしたの?えんぴつが削れなくて困っているのかな(「想像」)?」
子「そう。」
母「そういうときはね、『ママ、すみません。えんぴつを削ってください』
と言うのよ。『削り方を教えてください』でもいいよ(「覚えて」)覚え
た?」
子「覚えた。」
母「どちらか言ってごらん(復唱)」
子「ママ、えんぴつの削り方を教えてください。」
母「いいですよ。あのね、まず、ここを・・・」