第1ステップは、なんでも支援してあげて信頼関係をつくる その2
第1ステップは、簡単に言うと「あなたを本当に助けに来た大人だよ」と信じてもらうことです。 事例を2つ上げておきます。いつものように、セルフを中心に書きます。ステップ1の本質は、その細部に宿っています。T1は、担任で、T2は村内先生です。
お茶を飲ませてあげる(本当にお茶が飲みたい)
注)自分言葉で「勉強が分からない」という意味の場合もあるが
今回は、本当にお茶が飲みたいと思っている想定で書きます。
算数の授業中、よし君が先生に大きな声で聞きました。
よし「先生、お茶飲んでもいい?」
T1「よし君、授業中だよ。静かに。」
よし「だって、のどが渇いたもん。」
T1「休み時間に、飲まなかったの?」
よし「そのときは、のどが渇いてなかったもん。」
村内の先生は、T1に先生にさり気なく合図を送って、よし君に近づきます。T1の先生はそれを受けて、授業を再開始します。
村内「こんにちわ。先生は、村内と言います。少し、話を聞いてもいい?」
よし君は。眉間にシワを寄せて、村内先生を威嚇します。
村内「そんなに怖い顔をしないでよ。先生は、味方だよ。覚えてない?昨
日、オセロし田じゃないか?覚えてるだろう?」
よし君は、思い出しました。昨日のオセロの先生です。
村内「よし君は、どうしても今、お茶が飲みたいようだね(「想像」)。の
が渇いたら、我慢できないものね(共感)」
小さい声で親しげに話してくる村内先生に、よし君は驚いています。大人が近づいて来たので、てっきり「静かにしろ」と怒られると思っていたからです。昨日まで教室にいた先生は、そうでした。大嫌いです。担任の先生に怒られた上に、よく知らないもう一人の先生に怒られたら、2回怒られたことになるからです。
村内「先生が、担任の先生にお茶が飲めるように頼んできて上げるね。ちょ
っとまっててね。」
村内先生が、担任の先生のところに行って、小声で数秒話しています。帰ってくると、よし君の顔が少し緩んでいました。
村内「先生が、頼んできてあげたよ。『みんなの勉強の邪魔しないように飲
むんだったら、いいよ』と言ってくれたよ。こんなことを頼んで来てあ
げた村内先生は、いい先生でしょう?そう思いませんか?有難うと思っ
てくださいね(「覚えて」)。」
よし君は、今、判断に迷っているようです、この村内先生は本当に味方なのか?それとも、騙そうとそしている悪魔か?
村内「じゃ、そっと立ってお茶のところは行きましょう。よし君のお茶はど
れかな?イスの音を立ててないでくださいね。」
二人は、後ろのロッカーからお茶を取って廊下に出ました。
村内「廊下なら、みんなのじゃまにならないから、ここ々で飲みましょう。
どう?のどが渇いていたから、お茶がおしいですか?」
よし君は、のどを鳴らして飲んでいます。とってものどが渇いていたようです。
村内「よほどのどが渇いていたみたいだね。どうして、休み時間にお茶を飲
まなかったのかな?良ければ、教えて。」
よし「遊んでた。」
村内「そうか。遊びに夢中になっていて、お茶を飲む時間がなかったんだね
(「想像」)。それは、大変だね(「共感」)。でも、次からは、休み
時間に飲もうね(「覚えて」)。」
よし君は、返事はしませんでしたが、説教されたと言う顔もしてません。どうやら、村内先生のことを信用し始めているみたいです。
村内「じゃ、みんなの邪魔にならないように、そっと帰ろうか。水筒は、先
生がロッカーの上に返しておくから、よし君はそっと席に帰ってくださ
い。」
よし君は、言われた通りそっと席に帰りました。