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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル 10 配布物の配り方 と連絡袋に入れる方法 その1
この項目には、4つの補助項目があります。まず、それを紹介し【解説】します。
その前に「学校での配布物について」少し書きます。主に紙媒体ですが、学校で配布物を配ることは頻繁に行われます。
・授業で使うプリント
・授業で使う小道具
・縄跳びカードや健康診断などのカード類
・学級からのお知らせ
・学年からのお知らせ
・学校からのお知らせ
・PTAからのお知らせ
・委員会、クラブ、係り活動からのお知らせ
・大阪府や国からのお知らせ
・その他、購入物のパンフレット
ざっと思いつくだけでも、これだけあります。1日にかなりの回数配ることになります。これがスムーズに行えないと、かなりの時間が取られてしまい授業時間が短くなってしまいます。だから、時間をロスしないために次の4つの項目があるのです。
1️⃣ プリントを後ろに配るときは、身体を捻り相手と目を合わせて「どうぞ」と言う。相手は「ありがとう」と言う。配布物が、足らないときはどうするのかを覚える
これには、2つの効果があります。
・配布物が落ちて、床に散らばるのを防ぐ
・対人関係が苦手な凸凹タイプの子どもが、対人面のスキルを練習す
る機会になる
想像するよりも頻繁に、配布物が床に落ちます。それは、渡す側が渡す相手を見ないで渡すからです。それを拾っている間に、時間がどんどんにロスします。だから、渡し手と受け手とのコミュニケーションを取るようにルール化しているのです。これで、配布が床に落ちることは、なくなります。
そして、これをやることによって、対人の弱い子どもには「話すときには、相手の目を見るスキル」と「やりとりするスキル」「お礼を言うスキル」などが身についていきます。つまり、社会性があがっていきます。
また、このルールを守ることでクラス全体の雰囲気がよくなり、学級経営にもいい影響があります。
「配布物が、足らないときはどうするのか」ということを、決めておく のも大切です。放っておくと、あっちこっちで「先生、~が足りません」と声が上がり、クラスが騒然となる事があるからです。特に、凸凹タイプは、大騒ぎする傾向にあります。
前に机を一つ置き、その上に配布物の残りを置き「足らないときは、黙ってそれを取りにくる」というルールにするのが一番いいでしょう。
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2️⃣ 配布物を前に取りに来るときは、黙って一方通行で取りに来る
学年が上がってくると、列ごとに先生が配るのをやめ、自分たちで配布物を取りにくる形式になります。それは自立を重んじるからです。その時も、足らないときと同じように前に長机を置き、その上に配布物を並べます。
足らないときと違って、全ての子どもが一斉に取りに来るので、ルールがないと騒然として混乱します。ぶつかってトラブルになります。そこで、予め歩くルートを決め「黙って、一方通行で取りに来る」というルールを設けることになります。
これができるようなると、配布が静かに短時間で行えるよになります。先生は、その間に授業の準備等ができます。
3️⃣ 配布物を、きれいに二つ折や四つ折にできるようになる
これがスムーズにできないと、やはり配布に時間がかることになります。
学校ではまだB4を使っているところも多く、二つ折か四つ折にしないとランドセルに入りません。絶対に必要なスキルです。
凸凹タイプには、折れないので丸めてしまう子や、きちんと折れないので何度もやり直す子、折っている途中で気が散る子、折るのに思いの外時間のかかる子などがいます。
この場合でも、先生の待てる時間には限界があるので、授業に置いていかれたり、お帰りの時間に間に合わなくなって残されたりします。
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4️⃣ 配布物を、素早く連絡袋に入れられるようになる
折った配布物は、連絡袋というチャック付きの袋に入れ、ランドセルにしまったり、机に入れたり、お帰りカバン(水筒などいれる補助のカバン)に入れたりします。
意外でしょうが、これにまた時間がかかります。2つ折りにした紙を連絡袋に入れるのが結構難しいのです。凸凹タイプは、面倒臭くなって連絡袋にしわくちゃにして突っ込だんだり、ランドセルの底に丸めて投げ込んだりします。一番ひどい例は、机の奥に突っ込んでおしまいにしたりします。つまり、持って帰らないのです。
これを素早く行うためには、大きめのゆったりとした連絡袋を使うことです。ピッタリとした小さめを使うので、入れるのに四苦八苦するのです。
【参考】教科書や連絡袋が大きくなってきたことを受けて、最近はランド
セルが、少しずつ大型化しています。
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