あなたと話したくて、漫画を貸していた。
学生の頃、よく自分で集めていた漫画の単行本を友だちに貸していた。「あの作品、面白いんだあ」と話したとき。少しでも「この人、興味ありそうだな」と思うと、すぐに「読む? 持ってくるよ」と続けていた。今思うと、割と押し売りに近かった気もする。
とはいえ、中には猛者もいて、何十冊と借りていく友人もいた。「これ面白いよ」「○○、好きだと思う」と言うたびに、「えー! 読みたい、借りていい?」と言ってくれるのが嬉しかった。作品自体もそうだけど、何より”私が”好きなものに興味を持ってもらえ