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半熟日和

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“未熟で、ままならない日々を書く”。毎日書いている400字以上のnoteをまとめています。現在は土日祝日を除く週日更新です。800本を機に「毎日note」から「半熟日和」にマガジ…
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2021年12月の記事一覧

あなたと話したくて、漫画を貸していた。

学生の頃、よく自分で集めていた漫画の単行本を友だちに貸していた。「あの作品、面白いんだあ」と話したとき。少しでも「この人、興味ありそうだな」と思うと、すぐに「読む? 持ってくるよ」と続けていた。今思うと、割と押し売りに近かった気もする。 とはいえ、中には猛者もいて、何十冊と借りていく友人もいた。「これ面白いよ」「○○、好きだと思う」と言うたびに、「えー! 読みたい、借りていい?」と言ってくれるのが嬉しかった。作品自体もそうだけど、何より”私が”好きなものに興味を持ってもらえ

初めてスマホを忘れたけれど、どうにでもなった話。

コートの右ポケットに手を突っ込んだ。何も入っていない。慌てて左ポケットにも手を入れる。やっぱり何も入っていなかった。 スマートフォンを忘れた。 頭の中で、リビングの映像が流れる。以前金魚の水槽を置いてあった黒い台の上で充電コードに繋がったままのiPhone。そのままLINEを一件確認したことを覚えている。 絶対家にあるなあと確信してからソワソワしだす。すぐ取りには戻れない。自分の右側では、地元の街並みが流れ続けている。 BOOKOFFで買取依頼をしてから、カフェで時間

2021年、はじめたこと②

例年に比べて、渋谷に足を運んだ1年だったなあと気づいた。 今年、ハーフサイズのフィルムカメラ「Canon Demi」を買った。中目黒のトラベラーズファクトリーで一目惚れしたのだ。銀色と黒のカラー、手のひらサイズのフォルム。ちなみにハーフサイズとは、フィルムの1コマを半分のサイズで撮影するカメラのこと。36枚のフィルムで、倍の72枚分の写真を撮ることができてしまう。お得。 これで最初に撮影したのが、渋谷の街並みだった。 1枚目は、ヒカリエ11階のスカイロビーから渋谷の街並

大掃除がやってくる。

クリスマスが今年もやってくる、というより、大掃除が今年もやってくる、とこの時期になると思う。 会社でも、自宅でも、自分のスペースをきれいにすることが求められる。特にマンションにある自宅では、大掃除に対してタイムリミットがあるので気が気じゃない。 ゴミステーションの施錠日が近づいているのだ。 普段は大変ありがたいことに、24時間解放されていて、いつでも好きなタイミングでゴミを捨てることができる。便利すぎる。 ところが、さすがに年末年始となるとそうはいかない。施錠日までに

2021年、はじめたこと①

2021年になってからはじめたことがいくつかある。そのひとつがラジオを聴くようになったこと。 今年、23時台の放送になったトークバラエティ「あちこちオードリー」を見るようになってから、ゲストの話に耳を傾けるオードリーの姿がすごく好きになった。相手に対する好奇心を、押し付けすぎないちょうど良いバランスで見せながら楽しそうに対話する姿が、観ていて気持ち良い。 そこから、オードリー2人が話してるところをもっと聴いてみたいなあという気持ちが自然と芽生えて、ただインストールしたまま

諸行無常のハッシュタグ。

「おしゃピク」という言葉を今日初めて知った。「おしゃれピクニック」の略で、弁当や敷物、オブジェなどの小物を使っておしゃれな写真の撮影を楽しむアウトドアとのこと。そういった小物をレンタルできるお店もあるようだ。4年前に韓国で流行り、いま日本でブームが来ているらしい。 ためしにインスタグラムで「#おしゃピク」と検索してみると、なるほど確かに公園でレジャーシートを敷いて、友だち2人ぐらいでピクニックを楽しむ様子を切り取った写真がたくさん。秋冬の装いが目立つ。 コロナ禍だから、換

味薄炒り卵パスタ。

①溶きほぐした卵に粉チーズと生クリームを混ぜて卵液を用意しておく。 ②袋の表示通りにパスタ麺を茹でる。 ③フライパン上でベーコンを炒めておいて、茹で上がり水気を切った麺を和える。 ④火を止めて卵液を投入する。ダマにならないように一気に混ぜて、皿に盛る。粗挽きコショウを振る これでカルボナーラが完成するらしい。A5のノートに初心者向けレシピ本に掲載されているレシピを転写しながら、意外と簡単そうだなあと思う。 去年からたまに、1週間に一回くらいのペースで料理をするようになった

贈り物は、スマートな大人の条件?

チーズケーキが届いた。木箱に入った、ベイクドチーズケーキがまるまる1個(1枚?)。大きさはハガキ1枚分より少し大きいくらいで、厚みは4センチほど。表面のこんがりとしたきつね色の焼き目にうっとりと見つめた。口に運ぶ前から、絶対に美味しいと確信する。 箱から薄い紙と一緒に取り出され、スクエア型にカットされたチーズケーキ。断面はクリーム色一色。はじめに、フォークを差し込み少し力を入れるとゆっくり沈み込んだ。 こりゃずっしり系かも。結構お腹いっぱいになりそうだな〜と思いながら一口

年末年始は笑いが増える。

M-1のファイナルジャッジで母と歓声をあげ、そのまま、くりぃむナンタラとテレビ千鳥を観てた。満足してそのまま寝ようかな〜と思ってたらnoteを書くことをすっかり忘れてしまっていて、慌てて文字を打っている。 芸人さんのラジオを全て試聴しているとか、お笑いライブに足繁く通っているとか、そんなレベルではないけれど、お笑いが好きだ。 テレビをザッピングしている時にネタ番組を見つけるとそのまま試聴しちゃうし、録画をして定期的に観ているバラエティ番組はいくつかある。 いまだと、あち

自分の「好き」を信じている雑誌。

12月17日に、小学館から発行されているムック「Maybe!」のvol.12が発売された。 入手できたのが発売日の次の日だったこともあり、ついさっき、やっとひと通り目を通すことができた。 私がこのムックを知ったきっかけは、「神保町編集交差点」という、2018年に開催された対談イベント。その第3回のゲストの1人が編集長の小林由佳さんだった。そして私はその対談の様子を現地で見ていた。(イベントレポートが公開されているので、詳細はそちらで!) 「読者が食いつきそう」「バズりそ

消えた「◎」。

成人式のために伸ばした髪を切ってから、ずっと短いヘアスタイル。美容院には1〜2ヶ月に1回のペースで通っている。 短いがゆえに、ちょっとの変化が過敏になる。「あっ増えた」とある日気づく。伸びた、よりも増えた。ドライヤーで髪が乾く時間が長く感じたり、襟足が跳ねはじめたりすると、それが合図だ。 その合図に気づくと、髪の毛のことが気になって仕方なくなってしまう。「切りてえ〜〜!!」となる。それが今日だった。 行きつけの美容院は19時まで予約を受け付けている。ホットペッパービュー

ハサミの音で船を漕ぐ。

シャキシャキシャキ、とハサミが擦れる小さな音が遠くから聞こえる。頭がぐらぐら揺れている感覚はあるけれど、自分で抑えることができない。 シャキシャキシャキ、シャキシャキシャキ……。 音が止まる。 「終わりますよ〜」 自分じゃない女性の声にハッとして顔を上げると、見慣れない髪型の自分と目が合った。 ◆ ◆ ◆ 船を漕ぐーー思わず、居眠りをしてしまう瞬間はどんなときだろう。 朝礼で校長先生の話を聞いているとき。電車の席に座って、一息ついたとき。家のソファに座り、適当に

私のために撮る。私のために書く。

最近、約2年使い続けた「iPhone XS」から、「iPhone 13」に買い換えた。シリーズ12以降のiPhoneを、私は喉から手が出るほど欲しいと思っていた。 それは後輩でもある友人と一緒にある展覧会へ足を運んだときのこと。壁一面に広がる、かなり大きな広告が展示されていた。私が持っていたiPhoneのカメラでは、全体を画角に収めることは非常に難しい。というか、できない。目いっぱい、部屋の後ろに下がっても、両端が見切れてしまう。 そんな時、隣にいた彼女がズボンのポケット