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不倫をすると、スーパーマリオの無敵状態になってしまうから。


不倫。このことは民法では違反になるが、そこに到るまでの道のりがある。 結果より過程の方が重要であり、状況によっては、「うんうん、そういった事情なら仕方ないよね」と時には共感することすらある。


だけど、私は火遊びはしないと心に決めている。 もう理由は単純で、一度でも経験するとハマってしまうから。

 人間は欲深い生き物だ。


 かつては、喉から手が出るほど羨ましかった「心を許せるパートナー」 私にとって、慣れ親しんだ関係は、とても愛おしい関係性だ。
 
自分の尻をポリポリ掻いたり、マスカラ塗る時みたいに、目が半目になりながら、相手の眉毛を整えたり、風呂上がりでは、頭にバスタオルをぐるぐる巻きにして、ナマステ〜ってしたり。

そこに、「新鮮」や「胸が焦がれるときめき」はすっかりご無沙汰だけど、こんな思い出が10年後の私を励ましてくれることを、私は知っている。そして、こんな風に気を許せる人に出会えることがいかにラッキーかも。 


そんな心を許せる相手との生活の間に「新鮮なスパイス」が参入した場合、 「慣れ親しんだ関係」と「新鮮な関係」両方手に入れたと錯覚しては、スーパーマリオの無敵モードになる。自分の人生、全て手にいれたと。 何も恐れる敵はないと。

このスパイスは薬のようなもので、中毒性が非常に高い。一度経験してしまうと、もうパートナーとの愛おしい時間を純粋な気持ちで過ごすことはできない。あんなに、心から望んだ先に出会えた、あなたなのに…

五感で新鮮さを経験すると、家族といる尊い時間までも、頭の片隅によぎりそのスパイスを欲する。やはり薬のようだ。一度飲むと、飲み続けないとならない。やめられない、もう家族だけの時間では満足できない。


 そして、関係を終了したとしても、次のスパイスを本能で探し続ける。そうしないと脳が保てない、体が保てない。あの無敵な自分を忘れられないのだ。 


そんな人間にはどうすれば良いか? 


金槌で頭を叩くしかないのだ。 


無敵のまま走り続けたマリオが崖から落ちるように、あなたも落ちなさい。そして、ここはゲームじゃないの、やり直しはできないの。 

「人生、両方は手に入らない、さようなら。さぁ、後はどうぞご自由に」

 相手を裏切ったらどうなるか、身をもって経験させるしかない。自分の哀れな選択を本気で後悔させるしかない。そうしないと、また同じことをするだろう。


 ただ、後悔しないパターンもあるし、そのスパイスと再婚したとしても、その人の人生。


 もちろん、「再構築」を選ぶのも、その人の人生。 


*


頭の上にキラキラ星が輝かなくて良い。とんでもない速さで駆け巡る刺激や、高い所までジャンプして好奇心を満たさなくていい。

不倫は、たった10秒の無敵モードの為に、失う代償が大きすぎる。

私のこれまでの人生において、恥ずかしながら、「教養」は培われなかった。

だけど、「理性」は培かった自信はある。


これからの人生で、金槌で頭を叩かれるのはごめんなんだ。私が叩くことはあっても…  

注)本当に叩いてはいけません。


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