三間飛車だけで対抗形をなんとかする(13日目)
今日は全局対居飛車でした。実は一局は相振り飛車(こちらが後手番で、56歩34歩58飛の先手中飛車に対し、33角と向かい飛車。以下先手左玉の対抗形っぽい形)でしたが、中盤で千日手が成立。1局余計に指せることになった結果、全戦三間飛車となりました。
【29局目】 対四段 後手三間飛車対超急戦 〇
最近はやりの超急戦ですが、実は1960年頃からある指し方で、後手三間飛車の成否はこれで後手が耐えられているかにかかっているといっても過言ではありません。当時のA級では後手が大野源一九段、先手が加藤一二三八段や二上八段というカードで多く見られた戦型で、全体的に先手が押し気味だったと思います。大山名人も後手三間は極端に少なく(弟子の中田功八段に「後手三間は成立してるの?」と聞いたエピソードもあるとか)、こうした仕掛けを警戒していたものと思います。もっとも、その割には七番勝負の第七局とかで後手三間を結構投入してたりするのですが・・・
さて本譜は24同角がさっそく疑問手で、以下44歩同銀22歩で悪くなりました、以下33桂に11とで振り飛車悪くないとの読みでしたが、11と ではなく22と と引かれ、その瞬間負けを悟りました。
一気に2000点以上不利になってしまって迎えたこの局面。すでに投了級ですが、☖66桂が怪しい勝負手。以下☗88玉は的確な対応ですが、そこでさらに☖62角と打ちました。これは次の44角が間接的に先手玉をにらむ展開、依然として振り飛車敗勢ながら、局面は複雑になってきました。
二転三転して迎えたこの局面が勝負の分かれ道でした。後手は88金と打ち、次の87馬からの詰みを見せています。ここで先手は97金が正着でした。以下96歩は詰めろにならず、61飛成からラッシュをかけて先手勝ち筋だったと思います。本譜は95歩だったので、87馬85玉に84歩と突き、以下同玉83銀85玉93桂で即詰み、急転直下の幕切れとなりました。
全体的には先手が勝っている将棋ながら、実戦的には後手陣が堅いため、先手にミスが出やすい展開だったでしょうか。特に最終盤は、ひたすら自陣に駒を埋める後手の粘りがうまく実を結んだ感じがします。
【30局目】対四段 先手石田流穴熊 対 端玉持久戦 〇
こちらの初手78飛に、ごては飛車先不突きの持久戦を選択、こちらは石田流+穴熊の形を築きました。一局ながら、後手は主張に乏しい展開で、やや振り飛車作戦勝ちでしょうか。中盤以降は振り飛車がうまく捌き、ペースをつかみました。
ただ、この局面での指し手が見えず、形勢を損ねました。第一感は81飛成と桂馬を奪って24桂なのですが、以下23玉32桂成同玉に、41角の成否がわからず、踏み込むことができませんでした。41角に同玉なら43飛成で簡単に寄り形ですが、42玉と粘られたときが不透明と判断しました。
本譜の41角は冴えない手で、以下33金とかわされ、先手明らかに変調でした。実戦は後手にミスが出て、振り飛車勝ちになりました。
【31局目】 対七段 後手石田流 ●
六段七段戦でなぜか後手番を引くことが多く、全く自信のない後手三間を投入することとなりました。ただしノーマル三間は大敗のイメージしかなかったので、4手目32飛に賭けることにしました。以下後手はスムーズに升田式石田流に組み上げ、次の局面を迎えました。
ここで後手は24歩と仕掛けました。先手陣は後手43戦法対策の決定版ともいわれている形(10年ほど前のA級順位戦 渡辺ー久保戦が代表例)ですが、後手は飛車の動きで手損していないぶん、先手が15歩まで突き越せていないため、24歩と仕掛けて勝算ありとみました。しかし以下56角と打たれ、54飛24歩同銀にそこでじっと15歩と伸ばされて悩みました。単純な14歩同歩12歩の狙いが受けづらいのです。本譜は仕方なく23歩と打ちましたが、一歩交換しにいったのにここに歩を受けさせられているようでは振り飛車失敗だと思います。
上図はやや進んだところ、ここで36歩としましたが、以下26歩と打たれ同銀に36飛とされ、後手の銀が負担になる展開ではっきり悪くなりました。36歩に代えて24飛なら後手やや悪いものの、まだまだ勝負形だったようです。
とはいえ最初の図で24歩はどうやら本譜の先手の対応が決定版で、成立していなそうです。代えて44銀などで様子を見るほうがよさそうですが、振り飛車を持ってあまり自信のある展開ではなく、戦法としての限界を感じる敗戦でした。
【今日の結果】2勝1敗
【三間飛車通算成績】18勝13敗
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