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春におこなっている図工の題材

たまには、題材の紹介もしてみようか、と思います。

ここ数年、高学年でおこなっているのですが、

【春の絵】を描く題材です。

春をテーマに描くことは、教科書にも載っているので、ここでことさらに紹介するほど特殊なものでもないのですが、
この題材では、まず最初に鑑賞をおこなっています


鑑賞のやりかた

まず、6枚の春に関する絵を見るところからスタートします。

有名なもの、無名なもの、具象的なもの、抽象的なもの、色に特徴があるもの、モノクロのもの
を意図的に選んで、見せ、第一印象で何が好きかを考えてもらいます。


子供の実態とめあてに合わせて選ぶことも大切

そのあとに、1枚1枚について細かな視点で考える活動をします。

6つの視点(やさしい、かたい、やわらかい、かなしい、たのしい)のチャート図を用いて、それぞれの絵から、どんな印象を持ったか、を図にしていきます。

すると、児童は、自分が絵をどう見比べたかが、可視化される、という流れです。

見比べたあとは、早い子は子供同士で図を見合います。

同じ絵でも、自分はこう感じた、相手は違った、似ている、などの他者理解と、それによるより深い自己理解に繋がります。

友達同士で違いを実感できるといいなあ

そのあと、自分の好きな絵を決めます。
なんとなくでもいいから、好きな絵を決めて、またチャート図を見直すと、

そうか、やわらかい感じだから好きなのか、とか、

他の絵よりもチャート図が個性的(どこかが突出している、全体的に数値が大きい、など)だから好きなのか、とか

自分の好きの傾向がなんとなく言語化される、という構造です。


ここまでは、今までの記事と違って、形式的な活動の記述が多いように思う方もいるのではないでしょうか。

もちろん、アウトプットである「制作」は、子供が思うように作ることのできる準備や環境つくりのほうが大切だと思っていますが、

知識や言語化による理解、つまりインプットは、形式を決めた方が子供が理解しやすいジャンルもあるのでは、と思い、このような形式をとっています。

ただ、自由に感じることが大切なインプット、形式で型を覚えるアウトプットなどもあります。指導者は、そこを理解して、何が今回の目的に一番よいか、ということを常に考えていきたいとも思います。


さて
そうして、自分の好きを意識できたら、制作。

紙の大きさ、画材、春の中のサブテーマは自由です。

6年生なので、いままでの画材経験をいかしてもらうことが大切なので、「春」という大きなテーマ以外は自由な設定にしています。

タブレットも配布されているので、学校の花壇に行って花の写真を撮ってきたり、描きたいけどまわりにはないものなどは検索したりします。

今年度も同じようにして描いています。

色々なそれぞれの春が表現されていて、とても愉しい時間です。



まだ途中だけど、それぞれが見えていて、たのしい


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