飛行機も公共交通機関として気軽に乗っていただきたい。「U6」サービスが描く海外家族旅行の形。
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
ZIPAIRでは、お子さま連れのお客さまに“思い出に残る家族旅行”を提供できるよう、6歳までのお子さまは定額運賃で大人と隣の座席を無料で確保する「U6(ユーシックス)」というサービスをご用意しています。
これまでのエアラインにない年齢区分を設けた画期的なこのサービスについて、担当者のマーケティング部・西山雅博に、0~6歳をお子さま運賃にした理由や導入背景を聞きました。
プロフィール/西山雅博
2007年JAL(日本航空)に入社。旅客サービス業務や予約業務、国内線の販売管理業務を経験する。2018年7月にティー・ビー・エル立ち上げに併せてZIPAIR Tokyoへ出向し、主に販売制度設計やブランディングのほか、現在は東京(成田)-ソウル(仁川)線の路線マーケターも担当する。
分かりやすくシンプルな運賃設定を導入。
―「U6」を作った経緯を教えてください。
実は、航空券のお子さま運賃の設定はとても複雑でして。国内線と国際線、さらにはエアラインや運賃の種類によっても異なり「航空業界に身を置く私のような立場の人間でも分かりにくい」というのが率直な意見です。
多くのフルサービスキャリアの場合、国際線は0~2歳未満までは幼児運賃として大人運賃の10%、2歳以上12歳未満までは小児運賃として大人運賃の75%となっています。日本の国内線は、3歳以上12歳未満までは小児運賃が用意されていることが多いですね。また、LCCは小児運賃の設定はなく2歳以上であれば大人と同額になるのが一般的です。
このように設定が細かく分かれているうえに、ベースとなる大人運賃も時期や割引率により変動します。私たちはこうしたお子さま運賃の設定をシンプルで分かりやすくしたいと考えました。
―なぜ年齢設定を“6歳まで”としたのでしょうか。
6歳というのは小学校に入学する年齢になりますが、入学後に家族で海外旅行をするとなると、夏休みといった長期休暇に照準を合わせることが多く、旅行時期の選択肢がぐっと減ってしまう。さらに、夏休みなどは運賃が高いハイシーズンです。フルサービスキャリアを利用する場合は大人運賃の75%が適用されますし、LCCはそもそも小児運賃の設定がないことが多いので、予算的にもタイミング的にも海外旅行を敬遠するようになってしまうのではないかと考えました。
飛行機と同じ公共交通機関である鉄道やバスの料金区分に注目すると、未就学児は無料で小学生は大人料金の50%が子ども運賃として適用されていて、とても分かりやすいですよね。そういう面で航空業界には「未就学児は無料である」という世間の感覚とギャップがあるように感じています。
そこで「未就学のお子さまがいる家族にとって、気軽に利用できる公共交通機関でありたい」「納得感を追求したシンプルな運賃を打ち出したい」と考え、これまでのエアラインにはない“6歳”という年齢基準を設定し、まず定額運賃「U6 Standard」を生み出しました。
―運賃の設定など「U6」サービスの具体的な内容を詳しく教えてください。
「U6 Standard」運賃として、東京(成田)-ソウル(仁川)線は3,000円、東京(成田)-バンコク線は5,000円、東京(成田)-ホノルル線は7,000円に設定しています。 (*1)
また、2歳未満のお子さまの場合、座席を予約すると幼児から小児運賃や大人運賃に切り替わってしまいますが、「U6」では定額運賃のままで座席を確保。機内では「Baby Safety Seat」(チャイルドシート)を用意しますので、膝の上でお子さまを抱えるといった体への負担を軽減でき、機内で快適に過ごしてもらえると考えています。
さらに、座席は大人と必ず隣同士になるようにご用意します。通常であれば事前座席指定は有料ですが、お子さまと隣に座る方(お一人)の事前座席指定を無料にしました。
お子さまを連れた長時間のフライトでも快適に過ごしていただきたいという想いを込めて。
―ZIPAIR独自のサービスを導入するにあたって、難しかったことはありますか。
苦労したのはシステム面ですね。エアライン向けの予約システムはエアラインの一般的なルールに合わせて設計されているので、年齢区分を変更するというだけでも、グローバルスタンダードから外れたことに挑戦するとなるとシステム改修に相当な時間を要します。
2021年2月に発表したWebサイトリニューアルにおいて、一緒に開発してくれたチームラボさんからも「U6」のシステム開発部分に一番時間を割いたと聞いています。
―ほかのエアラインでは「U6」のようなサービスを導入していないですよね。
そうですね。ZIPAIRが他社とは異なり、中長距離路線の国際線LCCであるということが大きく関わってくると思います。東京(成田)-ホノルル線だとフライトは約8時間。お子さまを膝の上で抱っこをし続けるとなると機内でくつろぐ時間も少なくなってしまいますし、お客さまの負担も大きくなってしまいますよね。ですので、当初からお子さまの座席を確保することは決めていました。
ベビーベッドを用意することも検討しましたが設置できる場所には限りがありますし、必ず確保できるものではありません。すべてのお客さまにサービスをフェアに提供していくことで、納得感を高めたいと考えています。
―今後「U6」にプラスするサービスは考えていますか。
フライト時間も長いですから、お子さまが機内で楽しめるようなエンターテインメントの要素を加えていきたいなとは考えています。ZIPAIRを好きになってもらえるような、ZIPAIRに乗りたくなるようなコンテンツを作り出したいですね。
―飛行機を今まで以上に身近な存在に感じていただきたいですね。
電車やバスと違って、飛行機は公共交通機関のなかでもちょっと難易度が高い乗り物というイメージを持っている人も多いかと思います。
ZIPAIRは「U6」だけでなく、オートチェックイン(*2)や、機内の無料インターネットサービス、フルフラットにできる座席「ZIP Full-Flat」など、さまざまなサービスを用意しています。
「飛行機ってこんなに気軽に乗れるんだ」と思いながらご利用いただけることを目指し、私たちはこれからもエアラインの「NEW BASIC」を作り出していきます。
<「U6」の詳細はこちらをチェック!>
ZIPAIR公式Webサイト:
https://www.zipair.net/ja/ticket/u6
*1:
・運賃額は片道の金額です。
・運賃額のほかに、空港使用料および各種諸税が別途必要です。
*2:現在、新型コロナウイルス感染症に伴う出入国厳格化により、全便対象外としております。