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事務員Gのエッセイ

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「それ系」のゲームに苦手意識のあった僕が「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」をやった結果

「それ系」のゲームに苦手意識のあった僕が「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」をやった結果

「ゼルダの伝説〜ブレスオブワイルド〜」通称ブレワイ。
「至高の神ゲー」で「絶対やったほうがいい」のだそうだ。

ちょうど1ヶ月前。
僕はとあるコンサートの楽屋で、同じく出演する二人のピアニストから、力強い説明を受けていた。
「へぇ」とはぐらかして話題を変えようとするも、ピアニスト達は語気を弱めない。
申し訳ないのだが、興味は沸かなかった。

ゼルダっていったら、子どものときに同級生が騒いでたあのゲ

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慣れるまでが辛いけど、それが楽しい。アコーディオンとブレワイ(ゼルダ)の話。

慣れるまでが辛いけど、それが楽しい。アコーディオンとブレワイ(ゼルダ)の話。

「ピアノは楽器の王様」と言われ、ピアノを弾く身としては悪い気はしないんですが、そんなピアノにだってできないことはあります。

「一度鳴らしてしまったら、その音を変えることができない」

オーケストラではたくさんの楽器を見ることができますが、ほとんどの楽器は「鳴らしたあとに、音を大きくしたり小さくしたり」「音程を上げたり下げたり」できます。しかし当たり前ですがピアノの場合、鍵盤をポーンと鳴らしたら最

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僕がピアノに出会ってからの先生方は、素敵な人が多かった

僕がピアノに出会ってからの先生方は、素敵な人が多かった

初めてのピアノとの出会いは、幼稚園でだった。
教室においてあったピアノが好きすぎて、大塚先生から「お遊戯だよ」とか「お昼寝だよ」と言われても、ずっと僕はピアノを触りたがっていたらしい。困った先生が、迎えに来た母親にその事を伝えたのがピアノを始めたきっかけ。
(記事のTOPにあるアップライトピアノは、僕が幼稚園で初めて触れたピアノです。幼稚園の解体後は、園長先生の自宅に保管されていました)

最初に

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「原曲至上主義」にこだわっていた僕が変わった瞬間があった

「原曲至上主義」にこだわっていた僕が変わった瞬間があった

月刊Pianoの原稿を編集部に送った。
2014年1月号から続いているから、11年目に入るところ。

物価や、需要の影響で連載開始時には650円だった月刊Pianoも990円になった。僕が中学生の時は500円(!)だったので、ほぼ倍だ。でも、この雑誌がまだ続いていること自体にとても感謝している。

音楽を生活の大事なところに置くようになって長い時間が過ぎたけど、音楽に対して「考え方が変わったな」と

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「常夜鍋」かくあるべし!

「常夜鍋」かくあるべし!

以前母親に「15万円分のふるさと納税をする。その返礼品は実家に送ってあげるから、好きな返礼品を15万円分選んでほしい」と言ったことがある。返礼品にかけられる金額に規制がなかった、返礼品が豪華だった頃の話だ。
母が「決めた」というので、何にしたのか聞いたら「豚一頭」だと言う。
ついに実家の裏庭で豚を飼うのかと聞いたらそうではなく、豚一頭分の加工された冷凍肉が届くのだと。
15万円を小分けにして、アレ

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新潟での記憶から20年。何者でもなかった僕。

新潟での記憶から20年。何者でもなかった僕。

新潟で起きた中越地震からちょうど20年が経ったことをニュースで知った。音楽大学への入学を目指すも、「やっぱりやーめた」と受験当日に大学前の喫茶店に入ってしまったゴミ同然の僕に、素敵な未来を思い描けるわけもなかった2004年の出来事だった。震災のニュースを見て、すぐに新潟に行こうと決めた。社会に属していないヒマな人間がここに余っているのだから、何かしらの役には立つかなと思ったからだ。しかし今思い起こ

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ピアニストを連れて行く食事場所を選ぶ時に思っていること

ピアニストを連れて行く食事場所を選ぶ時に思っていること

ある日、鍵盤弾きの四人で飲み会をすることになった。
「ピアニスト四人で飲み会をすることになった」と書き始められればよかったのだが、こう書いた。厳密に言えば一人はキーボーディストだし、自分自身は今でも自分のことをピアニストと言えるほどの大それた人間ではないと思っているからだ。

いろんな経緯があって結局この四人で集まることになったのだが、食事をする場所については一任された。片方のピアニストが「事務員

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ビジネスホテルのシャワー評価を5年以上記録し続けていった結果

ビジネスホテルのシャワー評価を5年以上記録し続けていった結果

「ミシュラン三つ星」という言葉は、素晴らしい飲食店を示す指標として誰もが知るところだが「三つ星」が与えられる基準は「それを味わうために旅行する価値がある」かどうか、だそうだ。
つまり、素晴らしいレストランの料理を食べるために旅行を計画する人が世の中には一定数いるようなのだが、残念ながら自分はそのたぐいではないらしい。

旅行をする理由は人によってさまざまだろうが、僕の場合は「いつか会う誰かの出身地

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用事はないのに、今すぐ徳島に行こうと思った僕の話

用事はないのに、今すぐ徳島に行こうと思った僕の話

ある日、自宅で一緒に酒を飲んでいた相手から「徳島になにか思い出がありますか?」と聞かれたことがある。その人は徳島県生まれだったのだ。
しかしその時の僕は、徳島県についての面白い話をほぼ持ち合わせていなかった。
「徳島県のファミリーマートで肉まんを買ったら店員さんに『スジョゥワ』のように言われたのだが、その言葉が何なのかとっさに判断できなかった僕は、何度も『なんですか?』と聞き返してしまった。結局、

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ボカロP大集合飲み会「同創会」に行ってきた

ボカロP大集合飲み会「同創会」に行ってきた

役所は嫌いだ。
番号を繰り返し叫ぶ役人と、自分の番号をじっと待つ住民とで埋め尽くされている。子供が泣く声、世間話、番号を呼ぶ声、ディスプレイから流れる機械的な案内…… 僕もまた人々に埋もれながら渦巻く音に耐え、呼ばれるのを待っているひとり。
マイナンバーカードの申請をずっと後回しにしていたツケがこれというわけ。効率化のために必要なのだそうだが、カードを受け取るだけでこんなにも非効率的なことを課して

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「AFURI」にメールを送った日

「AFURI」にメールを送った日

2019年7月。僕は、普段しないような事をした。
とあるラーメン屋さんに「ご意見メール」を送ったのだ。
メールを送ったことを思い出したのは、そのラーメン屋さんの名前を、ニュースで頻繁に目にするようになったからだった。


ラーメン屋の名前は「AFURI」と言う。今や世界も含め25店舗を超える店を有する有名企業だが、僕がこのラーメン屋さんに初めて出会った頃はまだ、恵比寿店と原宿店の2店舗しか無い時

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有料配信ライブを「しない」という選択肢

有料配信ライブを「しない」という選択肢

平時に戻りつつある日常と共に、ライブがまた増えてきました。僕のように今現在を音楽の世界で過ごしている身としては、ここ数年息を止められているかのような感覚でしたから本当にありがたい限りです。

僕はここ数年、自分自身が表に出る活動を少しだけセーブして、色んなイベントの制作をする機会を増やしていました。「事務員G」の名前は出さないにせよ、実は結構いろんなイベントを作っていたんです。そんな中で、一つこの

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乾燥機の時間だけ

乾燥機の時間だけ

40分足らずで洗濯から乾燥までを終わらせてくれるコインランドリー。その早さはもちろん技術の進歩もあって喜ばしい事なんだろうけど、一旦拠点に戻るのか、それとも椅子に座って持ってきた小説を読むのか、その判断が難しいくらいの時間を僕に与えてくれた。

知らない町の、知らない道。
この先をずっと行って、自分に馴染みのある風景に行き当たるのにはどれくらい歩かなきゃいけないんだろう。
20分歩いて、また同じ時

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図書館であきらめかけていたら司書さんに声を掛けてもらった話。

図書館であきらめかけていたら司書さんに声を掛けてもらった話。

Twitterでこのエピソードを書いたところ、たくさんの方に興味を持って頂けたようなので少しだけ詳しく書いておこうと思います。

僕はその日、千葉県の柏市に仕事で行っていました。「ショッピングモールに置いてあるピアノを弾いて頂けませんか」という依頼のためだったのですが、レンタカーでドライブがてら行くのも良いかなぁと思って、そのお仕事をお請けしたわけです。ここのところずっと閉じこもっていたので良い気

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