『その時…』 5 大ちゃん 2020年10月23日 15:52 出逢いがあれば別れがある。至極当たり前な話で止まったり、振り返ったり、進んだりを繰り返しながら日常を生きている。それぞれに訪れる『その時』がある。『その時…』ふいに鳴った携帯に目をやると君からの着信だったいつもの調子で電話に出ると受話器の向こうに重い空気「話があるの…」という君は「今から行ってもいいかな?」とやっぱりどこか沈んだ声で僕に了解を求めてきた嫌な予感はしたけれどとりあえず部屋で待ってみるチャイムが鳴って君が部屋に来た時僕の動きは止まったもう終わるのは分かってたでもそれを認めるのが怖かった君が僕を見つめるその目がそれを物語ってた二人向かい合い座り「話って何?」と努めて明るく振る舞う僕長い沈黙の中彼女は一つ小さな咳払いをした唾を飲む音さえもはっきり聞こえるそんな空気に耐え切れず「何か冷たいものでも入れてくるから」と静かに席を立った台所で一つ溜め息できることなら逃げ出したいグラスを持って部屋に戻った時静かに彼女は泣いていたもう終わりだと確信した「何で泣いてるの?」って声も震えてた小さな声で彼女が僕に「ごめん…」と一言「悪いところがあったんだったら直すから」なんてこの場面では惨めな一言が口をつく出逢わなきゃよかったなんてことまで考えだして苦しくて苦しくてでも…もう終わりだという事実相手をせめても変わらないこの事実今日で会うこともなくなるという事実すべて受け止めなきゃならない事実もう終わるのは分かってたでもそれを認めるのが怖かった君が僕を見つめるその目がそれを物語ってた ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する この記事が参加している募集 #習慣にしていること 136,520件 #エッセイ #詩 #習慣にしていること #オリジナル #自由詩 #恋 #カップル #別れ #出会いと別れ #その時 5