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鱼水相欢ーー欠点を「気にする・しない」の程度が「合う・合わない」の度合を決める

(1368字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)


【鱼水相欢】

ピンイン:yú shuǐ xiāng huān
意味:魚と水のように恋人仲が良いこと。夫婦仲が良好であること。

『欠点を「気にする・しない」の程度が「合う・合わない」の度合を決める』

 「竹子さんはさ、なんで私のことが大好きなの?」
 
 突拍子もなく恋人からこのような質問をされ、良い回答が思い浮かばず、彼女の顔をまじまじと見る私。
 戸惑いに気付いたのか、「私のどこが良いと思ったの?どういうところが好きなの?」と彼女が追加質問を次から次へと投げかけてきた。
 
 どうも彼女は自分が私に相応しくないのではとずっと悩んでいるらしい。
 将来「もっと素敵な人」が現れて、私が離れてしまうのではと心配なのだそうだ。
 
 
 はて「相応しい・相応しくない」、とは。
 
 「素敵な人」、とは。
 
 
 しばらく「うーん」と考え込んでみたものの、結局「よく分からない……」と実に無責任な返ししか出来なかった。
 
 納得いかない表情を浮かべる彼女。
 でも、お互い一緒にいて心地良く、これからも長くお付き合いを続けたいと思ったからこの関係が継続しているのであって、
 少なくとも私には、これといった特別な理由なんてない。
 
 乱暴にまとめると「好きだから好き」なのだ。
 
 なぜ急にこんなことを聞いたのかと聞き返すと、
 「たくさんの欠点があるのに、なぜ竹子さんはこんな自分と一緒にいようとしたのだろうか」が不思議でたまらないのだそうだ。
 
 
 ああ、なるほど。
 
 
 彼女含め多くの人が誤解しがちだが、恋愛関係には上も下も無い
 至ってフェアな関係なのだ。
 
 なので「相応しい・相応しくない」なんて問題は端から存在しない。
 継続できるか否かの基準はたった一つーー「合うか・合わないか」で、
 俗に言う「ハイスペックな人」とお付き合い出来たとしても、合わなかったらその時点で関係性は終わる。
 
 
 長続き出来る関係なのかを見極めるポイント。
 それはどれ程魅力的に感じるかよりも、短所をどれぐらい受け入れられるかだ。
 
 お互いがお互いの欠点を目の当たりにした時、気になる・ならないの程度が合う・合わないの度合を決める。
 
 
 冒頭の話に戻ると、確かに私も彼女も人間である以上必ず欠点はあって、親密な仲であればあるほどお互いの短所をより多くじかに見ることになる。
 
 でも私達は気にしていないのだ。
 
 私も彼女も、お互いの短所を特段問題視していない。
 確かに時にはそのせいで困ることはあるが、話し合いを通して擦り合わせが効くし、今すぐには出来なくても徐々に歩み寄って足りないところを直そうと努力もしている。
 その欠点と必死に向き合う姿から、不器用さから更に愛情を感じている。
 
 「人は長所によって好かれ、短所によって愛される」という言葉の通り、私達の愛情は繰り返し短所がぶつかり合う中で育まれているのだ。
 私が彼女に対する気持ちも、これら全てをひっくるめての「好き」であり、何か決定的なポイントがあるからとかではない。
 
 
 上記内容をざっくばらんに彼女に説明したら、「ふーん」と簡単な返事であしらわれてしまった。
 理解しているのか、していないのか。
 
 どちらにしろ、誰かが誰かを好きになるというのは総合的な感覚・判断によるものであって、
 超優秀だからといって愛されるものではなく、逆にたくさんの欠点があったとしても愛されないことではないことを、彼女が分かってもらえばと思う。

 
 
 好きになった理由なんて、「好きだから好き」としか言えないのだ。

📚その気持ちが存在している、それ自体が立派な存在理由

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